マイクロソフト、「生成AIが働き方をどのように変えるのか」レポートを公開

日本マイクロソフトは24日、マイクロソフトが、Copilot for Microsoft 365などの生成AIを活用したサービスが、人々の働き方をどのように変革できるのかを調査したレポートを公開したと発表した。初めて実施した、職場でのCopilotに関する調査結果をまとめたレポートとなっている。

1. Copilotによる生産性の向上
Copilot for Microsoft 365 アーリーアクセスプログラムの参加ユーザー 297人を対象に、会議や文書作成などでCopilotをどのように使用しているか調査したところ、開発者がGitHub Copilotで経験したのと同様に、生産性向上と時間削減ができたことがわかった。

・68%が、仕事の質が向上したと回答している。
・57%が、創造性が高まったと回答している。
・68%が、創造プロセスの活性化に役立ったと回答している。
・72%が、文書作成中にアイデアを生み出す際に役立ったと回答している。
・67%が、Copilotによって時間を節約でき、より重要な仕事に集中できるようになったと回答している。
・平均で1日14分、1週間で1.2時間分の時間を節約できたと報告している。
・22%の人は、1日30分以上の時間を節約できていると回答している。
・1日30分以上時間を節約できると回答したユーザーに、その節約した時間を何に使っているか尋ねた。
– 最も多かったのは集中作業(53%)で、データ入力などの事務作業(7%)に時間を費やしている人はほとんどいなかった。
– ただ、2番目に多かった回答は、その時間を別の会議に充てている(16%)というものだった。すでに会議の数が多いところにさらに会議が加わると、逆効果ともいえる。
・これほどまでに時間を節約できているのはすばらしいことだが、節約した時間をうまく再投資することが重要となってくる。

Copilotは生産性と創造性を高め、時間を節約する

従業員がCopilotにどの程度価値を見出しているかについても調査した。初期ユーザーは、一度Copilotを使って仕事をすると、Copilotなしで仕事をする状態には戻りたくないと答えている。
・77%が、Copilotを手放したくないと回答している。
・大半の人が、職場での無料ランチよりもCopilotを利用したいと回答している。無料ランチが月1回の場合で88%がCopilotを選択し、2週間に1回の場合で79%が、週1回の場合で77%がCopilotを選ぶと回答している。
・30%が、Copilotを利用できるかどうかが勤め先の選択にまで影響すると回答している。

Copilotには無料ランチ以上の価値があるか?

2. Copilotが会議、メール、情報検索、文書作成に与える影響
定性調査に加え、ナレッジワークを構成する4つの要素である会議、メール、情報検索、文書作成を対象に観察調査を実施し、Copilotの生産性向上を定量化した。マイクロソフトは、人々が感じているデジタル負債は現実のものであると認識している。Microsoft 365のヘビーユーザーは、1日に250通以上のメールを受信し、150件のチャットをやりとりしている。また、1人あたりのTeams会議の数は、2022年以降グローバルで3倍に増加している。

Copilotを利用すると、重要なタスクにかかる時間を節約できる

日常の様々な業務において、Copilotを使用するグループと、使用しないグループに同じ作業をしてもらい、比較した結果、下記が判明した。
・情報検索、会議要約、ブログ記事執筆の一連のタスクにおいて、Copilotのユーザーは、29%速く完了でき、所要時間は29分42秒でした。Copilotを使用していないユーザーは42分6秒だった。
・録画された35分間の会議の要約において、Copilotのユーザーは、Copilotを使用していないユーザーより3.8倍速く会議を要約し、かかった時間は11分13秒でした。使用していないユーザーは42分34秒かかった。
・Copilotを使用して書かれたメールは、18%より明瞭(clear)だと評価された。
・Copilotを使用して書かれたメールは、19%より簡潔(concise)だと評価された。
・ファイル、メール、予定表を横断して情報を検索する作業では、Copilotのユーザーは27%速く作業を完了し、かかった時間は17分54秒だった。使用していないユーザーは24分18秒だった。

3. 役割特有の課題と改善機会
マイクロソフトでは、Copilotには、個人や特定部門だけでなく、あらゆる部門にわたってインパクトを与えるような、より幅広い機会があると考えていることから、役割による違いを調査した。

営業担当者
Copilot for Salesを少なくとも毎週使用しているマイクロソフトの営業担当者133人を対象に調査したところ、次のことが明らかになった。
・ユーザーが1週間に節約した平均時間は90分だった。
・83%が、Copilot for Salesによって生産性が向上したと回答している。
・67%が、顧客との時間を増やせると回答している。
・64%が、顧客とのエンゲージメントをよりパーソナライズできると回答しているす。
・58%が、必要なCRM情報をより早く見つけられると回答している。

Copilot for Salesは、営業担当者の働き方を改善する

ビジネスプロセスをAIで変革
ビジネスプロセスを根本的に変革する生成AIの幅広い機会について理解を深めるため、12カ国で6つの主要部門に勤める1万8100人を対象に調査を実施した。全体として、デジタル負債におぼれているとの回答を得ている。情報の作成(1日の24%)や、コミュニケーション(1日の24%)、情報の消費(1日の25%)よりも、情報検索(1日の27%)に多くの時間を費やしているというもの。しかも、毎日消費する情報のうち、仕事に必要なものは半分(50%)だけだという。

6つの異なる職務に就く人に、生成AIが仕事のパフォーマンスにプラスの影響を与える可能性があるのはどこかを尋ねたところ、トップとなったのは「必要な情報を見つけること」だった。そこから、職務別に独自のニーズが浮かび上がってきた。

・営業担当者は、営業機会の特定(75%)と、マーケティングデータと販売データの統合(74%)を挙げている。
・カスタマーサービス担当者は、問題を適切な担当者にインテリジェントに引き渡すこと(70%)と、担当者と顧客のやり取り全体の傾向を検出すること(68%)を挙げている。
・財務部門では、財務報告の簡素化(73%)と、データ品質の検証(72%)を挙げている。

グローバル調査:AIが特定の役割に与える影響

これらの結果は初期のものではあるが、時間が経てばCopilotによってより多くの商談が成立し、カスタマーサービスでより多くの問題が解決され、顧客満足度が高まることが期待される。これは、仕事の満足度や充実感を高めるだけでなく、最終的に収益の向上にもつながる強固な手段となるという。

今後の展望
Copilotは個人の生産性を実際に、しかも大幅に向上させていることがデータによって示された。しかし、個人的な実験を超えてAIを活用する組織を構築するには、新しい方法で取り組む必要がある。最大限利益を得ることになるのは、Copilotを検索エンジンとしてではなく、非常に有能で、無限に忍耐強く、いつでも利用できるアシスタントとして扱う組織だという。

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