明治学院大学、生成AIを活用した感情マップで個人の「顔表情からの感情推定」が可能に
- 2024/11/20
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明治学院大学は19日、同学「AI・データサイエンス教育プログラム」の科目「AI・データサイエンス入門」(担当:情報数理学部 永田毅教授)を履修する学生グループによる研究「生成AIを活用した顔表情からの表情コピーと感情マップ生成」が、11月2日、3日にかけて行われたフォーラム顔学2024(日本顔学会)にて輿水賞を受賞したと発表した。
この賞は日本顔学会大会(フォーラム顔学)における研究発表の中から、その着想と構想において顔学構築にインパクトをもたらす研究に貢献した発表者に、その功績を顕彰するものとして授与される。同研究は生成AI技術と感性情報を結び付けるための基盤として「様々なドメインを貫く基盤となる骨太な研究をこれからも期待する」と評された。
同学では2023年度から全学部対象の「AI・データサイエンス教育プログラム」をスタートさせ、AI時代の新たな基礎知識を、文系学部生にも教授している。今回の受賞はそのプログラムの中の「AI・データサイエンス入門」の履修者である様々な学部に所属する学生たちが研究に参加し、ひとつの成果となった。文理融合型の研究として今後のさらなる発展が期待されている。
◆研究概要
生成AIの顔パラメータを活用すると、ある人物の表情を別の人物にコピーすることができる。
この技術を使うと、無表情な顔画像から、様々な表情の顔画像を生成することも可能。
本研究では、この技術を使って、ある特定の人物の無表情顔画像から、ラッセルの円環モデル*1上の様々な感情の表情を生成し、円環モデル上に配置した「感情マップ」を提案した。この感情マップを活用すれば、個人に特化した「顔表情からの感情推定」が可能となり、高精度かつホワイトボックス型の感情推定AIが実現できる。
こうした研究は、商品やCMに対する印象計測などのビジネスへの応用や、メンタルヘルスへの応用、気分や機嫌の悪い人を早期に発見してケアにつなげるなど、様々な応用が考えられる。
*1:ラッセルの円環モデルとは、人間の感情を、感情価(感情のポジティブ・ネガティブ度)と活性度(感情の活性度が高いか低いか)の2軸で表現できるとする感情表現モデル。