mofmofは12日、ロックガレッジの開発するドローンの映像をAIによって解析し抽出された人影を、ARグラスに表示させることで視覚的に対象の位置と距離を把握する「AI・ARを駆使した 3rd eyeドローン」に技術協力し、1月8日に実証実験を実施したと発表した。
「3rd eye ドローン」は、ロックガレッジが開発したドローンの映像をAIによって解析し抽出された人影を、ARグラスに表示させることで、視覚的に対象の位置と距離を把握することを可能とするシステム。mofmofは今回、実証実験における開発に技術協力という形で参加した。
福島ロボットテストフィールドにて2020年1月8日に行われた実証実験では、災害現場での要救助者発見を想定し、目視では確認不可能な建物の屋上に取り残された要救助者をARグラスで視覚的に特定することに成功した。
近年、ドローンの広がりとともに容易に空からの視点を得られるようになり、その機能は災害対応にも利用されるようになっている。しかし、その映像は端末の画面に表示されるのみで、詳細な状況把握のためにその映像を複数人で囲って確認するといった非効率的な行為が行われることもしばしば発生しているという。
他にも、撮影した空撮写真をもとに後処理を施すことで3次元地形を復元する(ドローン用SFMサービス。Pix4D等)といった手法も一般的になりつつあるものの処理に一定の時間を要するため、現場で利用するにしてもスピーディーな対応が難しい状況となっている。
そのため現時点では空から得られる情報の利用は迅速であるとは言い難く、一秒を争うような現場においてはその時間差が命取りとなりうるという。
そこでロックガレッジは、「3rd eye ドローン」の開発に着手し、ドローンによる第三者視点が人類の第三の目として自然に機能し、その視覚を拡張するソリューションをAI・AR技術を駆使して実現した。
「3rd eye ドローン」は消防署、警察署等のレスキュー活動への従事者を対象としている。ドローン自体は現在も救助活動時の情報収集に用いられているもののデータ処理と伝達に時間が必要であり、運用は非効率的であるため、「3rd eye ドローン」を活用することで視覚情報の拡張によりその運用効率を最大限高めることができるという。
福島イノベーション・コースト構想推進機構主催イノベーション創出プラットフォーム事業の採択を受けて開発を進めている事業であり、今後も主にイノべ地域における消防署等と連携し、更なるシステムの完成度を高めるべく開発を進めていく予定だという。
また、レスキュー活動以外に点検などの他分野でもドローンの映像と抽出対象物の位置特定のニーズは高く、応用可能であり、今後用途範囲の拡張を模索していくとしている。