レノボ、ゲノム解析でSCSKと協業

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(レノボ)とSCSKは9日、急拡大を続けるバイオテクノロジー分野に欠かせないゲノム解析ソリューションの提供において協業することを発表した。

新型コロナウイルスの感染状況の把握から短期間でのワクチン開発に至るまで、ゲノム解析および関連技術の貢献度は高く、これらの技術進歩に改めて注目が集まっている。ゲノム解析は、新型コロナウイルスのワクチン開発だけでなく、がんや難病治療、創薬・医薬、バイオ燃料、食品産業などさまざまな領域においても活用されている。世界でもゲノム解析やゲノム編集と、AI(人工知能)やIT技術を組み合わせた「バイオテクノロジー」への投資が進んでおり、バイオ産業の市場規模は2021年から5年後の2026年には37.6%の拡大が見込まれている。

ゲノム解析は今後さらなる活用が期待されている一方、ゲノムの膨大な情報を解析するには時間がかかることが懸念点となっており、解析スピードが求められている。レノボは、最適化したハードウェアとオープンソースソフトウェアを組み合わせ、大容量の遺伝子解析を最適に実行できるコンピュータシステム「Lenovo GOAST(Genomics Optimization And Scalability Tool、ゴースト)」を開発した。

この「GOAST」では、これまで48時間かかっていた一連のゲノム解析(マッピングとWGSバリアント・コーリング)は18分に短縮され、約160倍の高速化を実現している。こうした時間短縮により、処理されるゲノム数が増えれば、研究室の生産性が向上し、より深い洞察を得られ、より多くの命を救うための発見がより迅速にできるようになるという。

また、「GOAST」はターンキー・アプライアンス・ソリューションで、納品後に直ちに稼働することができ、顧客のユーザビリティの向上を支援する。「GOASTソリューション」は1ノード500万円から提供しており、高価なアクセラレータや独自のソフトウェアに依存するソリューションよりもはるかに低いコストで、ゲノム解析の高速化と同時に処理するサンプル数の大幅向上を実現する。

今回、レノボとSCSKは、「GOAST」を搭載させたレノボのThinkSystemサーバーと、SCSKが展開するINFINIDAT社の大容量ストレージシステム「InfiniBox」を接続したゲノム解析ソリューションの推進から販売において協業する。本ソリューションは、今後のゲノム解析において必要となる大容量データ管理・運用を見据えたソリューションであり、「InfiniBox」は、独自開発のアーキテクチャによる高性能・高信頼性・大容量を兼ね備えたハイエンドストレージ製品で、ギガバイト単価1.5円から導入可能となる。また、SCSK「千葉物流センター」内サーバールームに、本ソリューションの検証環境を設立し、顧客のデータ解析および運用管理の検証を支援していくという。

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