福岡市、グルーヴノーツの量子コンピュータソリューション「MAGELLAN BLOCKS」を採用
量子コンピュータ関連ビジネスを手掛けるグルーヴノーツは3日、福岡市に「新型コロナウイルス感染症患者移送行程表作成システムサービス」として、量子コンピュータを活用してルート最適化を実現する「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」が採用されたことを発表した。
福岡市は、地域で新型コロナウイルス感染症の陽性者(患者)が確認された際、管轄の保健所から宿泊療養の対象となる患者情報の連絡を受けて、福岡県が確保する宿泊療養施設への搬送計画を作成し、患者の搬送を行っている。
この搬送計画は、一人ひとりの患者情報をもとに、宿泊療養施設の空室状況や搬送車ごとの定員、患者の自宅等を巡回する経路・所要時間、搬送可能時間など、さまざまな条件を勘案して、市の職員によって作成されている。福岡市は、感染拡大によって搬送対象の患者が1日あたり100名、200名規模と増加した場合に備え、すぐに利用開始できるクラウドサービスの活用を前提に、搬送計画の作成に関する業務のシステム化を検討した。
今回、福岡市が採用したグルーヴノーツの「MAGELLAN BLOCKS」は、量子コンピュータやAIなどのさまざまテクノロジーを活用できるクラウドプラットフォーム。量子コンピューティング技術(量子アニーリングマシンをはじめとするイジングマシン)は、今回の搬送計画のような、いつ・どこに・どの車両が・どの順番で回るのかといった最適な資源の割り当てやロジスティックスを高速に導き出すことができる。
福岡市は「MAGELLAN BLOCKS」を活用することで、効率的な搬送計画の作成がワンクリックで完了するようになり、大幅な業務省力化が可能になる。また、「MAGELLAN BLOCKS」には必要な量子コンピュータモデルや機能が標準装備されており、短期間で導入可能な点、搬送対象人数の増加や搬送先の追加・変更など環境変化に柔軟かつ即時に対応できる点を高く評価したという。
今後もグルーヴノーツは、先端テクノロジーを駆使して、福岡市の変化に柔軟に適応する効果的・効率的な行政運営を支援していくとしている。