CoeFontは17日、デジタルハリウッド大学と共同で、2021年11月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)であることを公表した杉山学長の”声”を、CoeFontの持つ独自のAI音声合成技術を用いて、AI音声化を実現させましたことを発表した。
同社は、これまで、病気により声帯摘出を行う予定のある人や今後ALSの症状の進行により、”声を失う可能性のある人々”に対して、AI音声プラットフォーム「CoeFont」の無料提供に取り組んできた。
この取り組みは、同社が予想した以上の反響があり、医療機関や企業などをはじめ、多くの人々から、問い合わせがった。
今回、デジタルハリウッド大学から「筋萎縮性側索硬化症(ALS)であることを公表した杉山学長が声を失った後も、AI音声合成によって自由に声を発することはできないか」という相談があり、これを実現する共同プロジェクトを開始した。
同社では、通常、高品質なAI音声を生成するために、本人の声を収録することを推奨している。今回のプロジェクトでは、AI音声の社会実装に向けた特別な試みとして、新たに音源を収録せず、学長の過去の講演等の音源の中から良質な音声を選別し、同社の技術を用いてAI音声を生成する方法に挑戦いした。
「CoeFont」( https://coefont.cloud )はAI音声プラットフォーム。最新のAI音声合成技術を活かし、「声」を手軽かつ表現力豊かな「フォント」のようにすることをコンセプトにしたAI音声技術。従来では、50万円・10時間以上の収録を必要としていた音声合成を、同サービスでは500円・15分の収録で、自然な発声のできる「CoeFont(AI音声)」を作成できる。作成したCoeFontは、クラウド上で公開することができる。他のユーザーのCoeFontを利用したAI音声の作成も可能。作成したCoeFontが利用されるたびに、CoeFontの作成者に収益として還元される。またAPIを利用して、アプリやウェブサイトに組み込むこともできる。
同社では、声を失う可能性のある人々や家族のQOL向上に貢献し、AIをはじめとした先端のデジタル技術を社会のインフラとするべく、より一層、活動に取り組んでいくとしている。