電通国際情報サービス(ISID)は24日、マイクロソフトが提供するAzure OpenAI Serviceを活用して、ChatGPT環境を企業内に構築し、その活用や教育を推進するソリューション「Know Narrator(ノウナレーター)」を20社へ導入したことを発表した。
導入済みの20社は、厳しいセキュリティ対策が求められる金融業や、少子高齢化による人手不足の影響が大きい製造業、DXを積極的に推進している大手企業などで、さまざまな業界へのスピーディーな導入を実現している。
「Know Narrator」は、企業がChatGPTを安全かつ適切に活用できるよう、ISIDがこれまで取り組んできたさまざまなAzure AIプロジェクトの遂行実績を基に独自に開発した。企業が抱える課題やChatGPTの活用フェーズに合わせて選択可能な、3つのソリューションで構成している。
1.「Know Narrator Chat(ノウナレーターチャット)」
「Know Narrator Chat」は、ChatGPTを安心・安全かつ便利に利用するための顧客専用の環境を提供する。社員によるチャット履歴も顧客専用の環境内に留まり、外部への情報漏洩リスクを避けることができる。既存のChatGPTサービスにはない独自のオプション機能として、BIツールによるチャット利用傾向の分析、GPT-4よりも高性能なGPT-4-32kの利用、入力を日本語から英語へ自動翻訳することで利用料金を削減する機能、なども提供する。
2.「Know Narrator Insight(ノウナレーターインサイト)」
「Know Narrator Insight」は、ユーザーのチャット履歴分析機能により、利用状況の把握、効率的な利用方法やプロンプトの共有などを実現することで、対話型AIの活用を促進するソリューション。ISIDの持つ高度な自然言語処理技術による、チャット履歴の内容を基にタグを自動で付与、類似したチャットをグルーピング、効果的な回答を得られた質の高いチャットの抽出、などのオプション機能も搭載されており、データ分析者がチャット履歴から業務課題の仮説、自社製品・サービスの強化ポイントなどを収集するのを支援する。
3.「Know Narrator Search(ノウナレーターサーチ)」
「Know Narrator Search」は、ChatGPTが社内文書を参照し回答文を生成することを可能にするソリューション。社内規定や議事録、FAQ、顧客からの問い合わせなどをChatGPTが参照できるようになり、社内固有の情報に関する質問には回答できない、という多くの企業が抱えている課題を解決する。回答の生成時に参考にされた社内文書そのものを閲覧する機能や、回答精度を高めるために参照する社内文書を質問ごとに限定する機能、なども搭載している。
ISIDは今後も「Know Narrator」のさらなる機能拡充を図り、企業の業務効率化やDX推進を支援する。
【セミナー開催】
ISIDは、12月11日から12月22日までの期間中、「ISID AI Days2023 ~全社導入事例から学ぶChatGPT本当の価値と活用のロードマップ~」と題したオンデマンドセミナーを開催する。