イオンリテールは2日、7月から「イオン」「イオンスタイル」約240店舗で、より良いサービスを届けするための、笑顔と挨拶向上を目的とした従業員接客教育にInstaVRが提供する笑顔・発声トレーニングAI端末「スマイルくん」を導入すると発表した。
「スマイルくん」は、従業員の笑顔や、声量、滑舌、調子(音程)をリアルタイムにAI分析してスコアリングし、即座にフィードバックすることで、従業員の笑顔や発声をゲーム感覚で楽しみながら改善することができる端末。なお、店舗でエッジAIを従業員の笑顔・発声の教育に導入する取り組みは世界初だという。
イオンリテールは、魅力的な商品・サービスのご提供を通して顧客満足を最大化するため、現場を起点とした接客人材の育成に取り組んでいる。また従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化を目的に、人材育成においてもデジタルトランスフォーメーションを推進している。
同社ではリアル店舗の強みである接客応対を強化するための従業員教育を進める中、顧客応対する際、笑顔・発声の基準が人によって異なることで、口角が十分に上がっていなかったり、発声においては、声量が十分でない、聞きやすい滑舌になっていない、上がり調子・下がり調子が異なっていたりなど、同社が目標とする水準に十分に達していないという課題があった。
そこで同社は、顧客に気持ちの良い笑顔と挨拶を通じてより良い買物環境を提供するため、2023年7月から、笑顔・発声をAIで判定し、可視化・標準化を行えるInstaVRの「スマイルくん」を採用し、一部店舗(8店舗/約3400名)の従業員を対象に実証実験を行った。実験店舗では、店頭での顧客への笑顔と挨拶について3カ月間に渡ってミステリーショッパー調査を行い、スマイルくん導入による従業員の笑顔・発声の変化を追跡調査した。その結果、実験店舗では従業員から顧客への笑顔と挨拶の実施率が導入前と比べて約1.6倍に向上した。
上記の結果から今回、「スマイルくん」の導入店舗を、新入社員配属店舗を中心とした240店舗に拡大し、笑顔・発声基準の全社での標準化を図ることで、さらなる接客応対とサービスの質の向上に繋げていくという。