アールティは3月29日、触れるサービスロボットや二足歩行協働ロボットの研究開発向けに開発された研究用ティーンサイズヒューマノイドロボット「Bonobo(読み:ボノボ)」を、大学研究室の研究用ロボットとして納入したと発表した。
Bonoboは、サービスロボットや歩行ロボット、コミュニケーションロボットの研究に使えるヒューマノイドロボット。身長120cmのコンパクトサイズで、腕の長さは小柄な成人をモデルにしている。
ボディを3Dプリンタ製のプラスチック外装にすることで、全体で約20kgと軽量にしており、一人でも持って移動させることが出来る。
アーム等の動く力が強くなりすぎないように配慮するほか、挟み込みを防止する設計構造にすることで使用時の本質安全にも優れている。
「軽量かつコンパクトでスタイリッシュ」をコンセプトに作られ、持ち運びや稼働中の運用を楽にしたい人や、アームやボディを触って体感しながら、触れるサービスロボットや協働ロボットの研究開発を進めたい人に適したヒューマノイドロボットだという。
頭部にはデプスカメラを標準搭載しており、対象物の認識や障害物回避の腕の軌道生成などが研究可能。
今回Bonoboは、世界中の数ある研究開発用ロボットの中から、「人と対等なコミュニケーションをとりやすい身長、重量」を理由に選定された。
小柄であることは人に威圧感を与えにくく、また小さすぎると通常の言葉で話しかけにくい(サイズが1mを下回ると幼児言葉になりがちである)ことから、Bonoboは「人と対等なコミュニケーションをとりやすいサイズ」としてこのサイズが適切だという。重量も約20kgという軽量設計で、一人でも安全に運用ができる点も評価された。
今回大学研究室に納入したBonoboは、人と一緒に行動し対話をするロボットの研究開発に活用される。具体的には基盤モデルを活用したAIでロボットを動かす。これらは、近年海外のAI研究者が取り組んでいる最先端のAI研究としても注目されている内容。
納入先は、大阪大学 大学院 基礎工学研究科 長井研究室。
アールティは、これまでも身長20cmから150cmまで、100台以上(他社キットも含めると累計500台以上)の人型ロボットの開発、販売実績がある。基盤モデルを活用したAIによるロボットの動作作成、デモ機開発も依頼をうけるとしている。