AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行うRidge-i(リッジアイ)とSOMPOリスクマネジメント(SOMPOリスク)は12日、2020年3月に業務提携を開始した生産設備の映像監視AI「DeepFire」β版(DeepFire)について、第1弾の実証実験を完了し、生産現場への映像監視AIの効果的な実装が可能なことを確認したと発表した。
今後「DeepFire」のより精度の高いモデル構築に取り組み、生産現場の自動化、効率化を実現するプロダクトの提供を目指すと共に、両社連携のシナジーを活かしたサービス展開を加速させ、映像監視AIの社会実装に取り組んでいくという。
2020年3月にβ版提供を開始したDeepFireは、時系列解析の学習を行う最適なディープラーニングのモデルと高度な画像処理技術を組み合わせることで、これまで定量的な判断が難しかった時系列で状態が複雑に遷移する、「燃焼」、「粘性」、「液体」等の状態を的確に解析、異常・異常予兆の検知の自動化を可能とするプロダクト。
時系列データを処理する複数のネットワークを組み合わせることにより、高度な映像解析において高い推論精度を実現、また、正常シーンを教師データとして学習させることで、少ない学習データ量で熟練者と同精度のシーン判定が可能になったという。
2020年8月から3カ月行った実証実験において、現場で液体の状態変化を見ながら機器の操作を行っている熟練者と同等の判断基準を、AIが自動認識したことを確認した。
熟練者が目視確認している油水分離槽の様子(動画)
本実証実験は、映像監視データからAIが異常検知を成功させた第1弾であり、映像から取得した時系列データを多く所有しているエネルギー業界、廃棄物処理業界、製造業界等において、安全な運用や人員配置を効率化させるプロダクトとして活用できるよう、様々な業界への提供を加速させる予定だというす。