白井グループは18日、凸版印刷が受託した東京都モデル事業「家庭用紙おむつの効果的回収と完結型リサイクル事業」に参画し、八王子市と町田市において紙おむつリサイクルの低炭素型回収コースをAI配車システムを用いて最適化すると発表した。
家庭から廃棄される紙おむつは、従来、可燃ごみとして回収されていた。本事業では、紙おむつの素材であるパルプとプラスチックを再生原料にリサイクルする。このため、従来の可燃ごみとは別の車両で回収し、再生工場まで運搬する必要がある。八王子市と町田市は本事業では紙おむつ回収のモデル地区を各々設定し、従来の可燃ごみと紙おむつを両市の委託企業が回収する。
白井グループは、両市において、紙おむつのみを選択的に回収した場合の最短ルートを、2014年から実用しているAI配車システムで計算。これらの結果を総合して、両市をまたぐ広域回収のシミュレーションを行うとともに、両市が各々全域に適用した場合の必要車両台数を試算する。
一般的に、リサイクルを推進するために、廃棄物を種類ごとに分別排出する取り組みが全国の自治体で進められている。この実効性を高めるためには、 (1)一括して回収後に再度分別する、(2)種類ごとに車両を配車する、の二つの方法がある。いずれの方法も実態としてはさらなる経済性の向上が重要になっている。(2)の分別回収では、紙おむつに限らず、廃プラスチック等にもこのことが当てはまる。このような分別回収のケースについて、最も経済的なコースで回収することで、追加の車両や重複ルートを省くことができる。このため、移動に伴う二酸化炭素排出量を削減できる。
白井グループは、廃棄物処理依頼の電子化、RFIDとブロックチェーンを用いたトレーサビリティ検証を進めている。それらの成果を統合して、2022年度からは静脈物流のさらなるDX化を加速していきくという。