Society5.0とAI・ロボットニュース

2020年7月20日。AI・ロボットニュースを正式にリリースしました。
なぜ今、Society5.0なのか、そしてAI・ロボットニュースなのか。

21世紀も5分の1を過ぎ、時代は大きく変化しようとしています。「Society5.0」はそれを象徴するWordですが、あまり使われていません。それは、政府が提唱している社会のあり方を示しているだけのことばだからか、それとも実際社会で生きている人々にとって目にすることができる実体がないからなのか。とはいえ、「Society5.0」は「第4次産業革命」という実態を伴って急速に進展しています。

AI・ロボットニュースは、Society5.0を支える第4次産業革命(AI・ロボット・ビッグデータ・IoT・DXなど先端技術)に携わる企業、団体、教育機関はもちろん、「Society5.0」時代の生活者のとなる人々に、日々進展するSociety5.0に関連する情報を提供するWebニュースサイトです。情報提供者、読者とともに新しい時代の扉を開くメディアです。

内閣府Webサイトより

Society5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、2016年1月、政府の第5期科学技術基本計画(2016年~2020年)において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。

内閣府のWebサイトでは、「Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。」と、解説されています。

第4次産業革命とは、AI・ロボット・IoT・ビッグデータなどが牽引する技術革新です。AIとはArtificial Intelligenceの略で「人工知能」のことです。AIには、人間の知能に迫って同様の仕事が出来るような幅広い知能と自意識を持つと言われる「汎用人工知能」と人間の能力のある部分や特定の分野に特化した「特化型人工知能」があります。2045年に訪れると予測されているシンギュラリティ(技術的特異点)は、「汎用人工知能」が人間の脳の能力を超えることで、その真偽は学者や研究者の見解が分かれるところです。2020年の時点で、まだ「汎用人工知能」は出来ていません。一方の「特化型人工知能」はめざましい発展を遂げています。チェスや囲碁、将棋といった人類の中でも特に知能が高いと思われる人たちが職業としている分野で既に、名人クラスを破っています。自動運転や自動翻訳、スマートフォンやスマートスピーカーでユーザーの要望に的確に答えてくれるのも、客からの電話の問合せやクレームに応えるのも、1秒間で株の売買を決断するのもAIの得意技です。教育界では、一人ひとりの子どもたちに最適な学習方法を提供する「アダプティブ・ラーニング」もAIの得意分野となっています。もう既に、あらゆる産業のあらゆる場所・サービスでAIの活躍の場が拡がっています。

ロボットというと人型ロボットや巨大な戦闘ロボット、工場の製造ラインのロボットを思い浮かべる方も多いかも知れませんが、いま進化しているのはコミュニケーションロボットや介護ロボット、身代わりロボットや英会話ロボットといった人々の生活に溶け込んだロボットたちです。そしてビジネスの分野では、体のないロボットRPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)が急速にOfficeに導入されつつありあります。

AIやロボットの進化によって、20年後には今ある職業の半分以上がAIやロボットに取って代わられるとも言われています。AIやロボットとともに作るのがSociety5.0の時代、近未来の社会なのです。

しかしいま、多くの日本人が勘違いしていることがあります。それは、日本の科学技術や研究開発、教育分野などが「世界最先端」だということです。確かに20世紀には日本はかなりいいところまでいっていました。高品質・大量生産の自動車や電化製品、半導体や集積回路、ノートパソコンやスーパーコンピューター、TVゲームなど確かに世界最先端に違いなく、それを支える教育も20世紀に相応しい成果を上げていました。

しかし、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表されるIT産業が隆盛を極め始めてから、AIもロボットも通信も米中に全く歯が立ちません。科学技術のレベルを示すと言われる学術論文の発表数では、ほとんどの分野で、米中英独の後塵を拝しています。未来を支える教育分野では、21世紀の学びに欠かせないICT(情報通信技術)の活用が、OECD加盟国のほぼ最下位という調査結果もあります。コロナ禍で、中国の学校はすぐにオンライン授業に移行しましたが、日本の公立学校のほとんどが対応できませんでした。テレワーク対応も、すぐに出来たのは一部の企業だけでした。20世紀の成功体験のまま、同じやり方で21世紀も乗り切れると考えている石頭の経営者や役人、教育関係者が進化を阻害しているに違いありません。

今の日本は「2位じゃダメなんでしょうか?」などとのんびりしたことを言っている場合ではないほど、新時代対応がピンチなのです。最近、スーパーコンピューター「富岳」が世界最速を記録して1位の座を取り戻しましたが、それだけで日本が米中欧に追いついたと言うことはできません。教育界にも産業界にも、そして一人ひとりの生活者にも、新しい時代の変化に対応する心構えや覚悟が求められているのです。

AI・ロボットニュースは、そのために役立つ情報を提供していければと考えています。(wanitel記)

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