東急不動産と東日本電信電話(NTT東日本)、PALの3社は15日、物流業務の見える化を目的にローカル5Gオープンラボにおいて、ローカル5GとAI画像分析技術を活用した「人の動態把握」に関する実証実験を実施し、物流現場への適用可能性を確認したと発表した。
今後は、カメラを活用した自動検品や自動搬送機(AGV等)の運転・遠隔操作等の実証実験も行い、2022年度には実際の物流倉庫・現場での運用・実装を目指し、さらなるスマート物流の実現に向け取り組んでいくという。
昨今の物流現場では、労働力人口の減少やインターネット通販での買い物需要が高まったことによる出荷件数の増加に伴い、最適な現場レイアウトの設計、人員配置の適正化等に加え、煩雑な物流倉庫業務をシステム化するなど、大幅な作業効率化が求められている。
システム導入などが少しずつ進む一方で、物流倉庫内における作業スタッフの業務は複雑かつ多様化し、作業スタッフの運営管理については、管理者がシフトの作成から実際の作業工数の把握等を手入力でアナログ管理しているのが実情。
作業スタッフの稼働をリアルタイムに見える化し管理していくことは、物流倉庫内における作業進捗の把握や人員配置の適正化といったメリットに加え、業務量や作業の生産性をデータとして取得・蓄積していくことにより、作業効率の向上や、今後の省人化への投資を判断していく重要なデータとなっていくという。
これらを踏まえ、本取り組みでは、物流業務の見える化によるスマート物流の実現に向け、ローカル5GとAI画像分析技術を活用した人の動態把握ソリューションに関する検証を行った。
ローカル5Gオープンラボにおいて、物流倉庫を模した疑似的な環境とローカル5Gを通じた高精細カメラでの撮影環境を構築し、物流現場で想定される動作を複数人で行い、その映像データをAIで分析。その結果、ローカル5Gの安定した高速大容量の通信を活用したAI分析により、人物の検知・特定および追跡(動線把握、ヒートマップ化)において物流現場への適用可能性を確認した。
当技術を活用し、『誰が、どこで、どの経路で動き、どのくらいの時間滞在していたか』というデータを取得・蓄積し、見える化することで、物流倉庫における最適な現場レイアウトの設計、人員配置の適正化等が可能となり、物流業務の効率化が期待できるという。
PALでは今後も、AIをはじめとする最先端技術の実用化に取り組む企業や団体と技術連携を図りながら、自動検品や自動搬送機(AGV等)の運転・遠隔制御等に関する実証実験を行い、2022年度には実際の物流倉庫・現場での運用・実装を目指し、物流業務の新たな省人化・デジタル化ソシューリョンの実現に向けて取り組んでいくとしている。