高解像度化をはじめとしたAI(深層学習)による画像変換技術を研究開発するNavier(ナビエ)は21日、豊田工業大学知能情報メディア研究室とAIを活用した動画を高速で高解像度化するアルゴリズムの共同研究を実施すると発表した。
本共同研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業によるもの。
Navierはディープラーニングを活用した画像処理技術、とくに動画・画像の高解像度化(超解像)、鮮明化、ノイズ除去に特化したAIソリューションを提供している。印刷物、監視カメラ画像など、幅広い業界で活用されている。
既存技術の応用のみに留まらず、自ら新しい技術を生み出すための研究活動に重きを置いており、今回、当該領域で国際的にも顕著な成果を出している知能情報メディア研究室と共同研究を行うことで更に研究活動を加速させるという。
豊田工業大学は、トヨタ自動車の社会貢献活動として1981年開学。大学と産業界が良きパートナーとして、互いに研鑽しあう教育・研究を推進することにより、豊かな人間性と創造的な知性を備えた実践的な開発型技術者・研究者の育成を目指している。
知能情報メディア研究室は、コンピュータビジョン・画像認識などのマルチメディア計測・認識、および、大規模データの機械学習による計測・認識の高精度化に関する基礎技術を研究し、基礎技術を、人を見て(計測・認識して)、人を知って(モデル化して)、人を支援する知能情報メディアの応用研究に発展させることを目標に掲げる研究室。
コンピュータビジョン分野における世界で権威ある学会のCVPRでも研究成果を多数発表しており、また、画像超解像の国際的なコンペティションであるNTIRE、PRIM、AIMでも受賞歴を有する、超解像分野における国内有数の研究室。
今回の共同研究では、AIを用いて動画を高解像度化する(動画超解像)技術の根幹となる、アルゴリズムを共同で開発することを目指すもの。
AIによる動画超解像はVSRnetなどの研究成果を嚆矢とし、2016年頃から世界中で研究が活発に進められているという。従来の研究は、超解像によって高品質な動画を作成することにその焦点が当てられる傾向にあった。
一方、実社会での応用においては、一般のコンピュータが備えているレベルの処理能力で時間をかけずに超解像を行うことが期待されるため、処理の高速化が動画超解像の実用化において重要。本共同研究により、AIを用いた動画超解像の実用化を推進することが期待される。
尚、本共同研究はNavierが採択されたNEDO「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援(STS)」の助成を受けて行うもの。