花王は8日、コンシューマープロダクツ製品の販売を担う花王グループカスタマーマーケティングとエル・ティー・エス(LTS)が共同開発した、人工知能(AI)による自動棚割りアルゴリズムの実証実験を7月から開始し、棚割り作業の自動化による業務改善と、販売店の売場づくりの効率化をめざすと発表した。
花王では長きにわたって、顧客のニーズに適した品揃え、売れ行きに応じたスペース配分、売れ筋はゴールデンラインに陳列といった原則にもとづき、販売店の売上に貢献できる売場提案を行なうために棚割りシステムを開発・運用してきた。棚割り業務は、客に合わせた品揃えの検討や客の購買行動の変化に対応し、「見やすく・選びやすく・取りやすい」売場づくりのための重要な活動のひとつ。しかし店舗ごとに異なる売場規模や商品構成等に応じて、数多くのパターンを人が経験をもとに時間をかけて作成する必要があり、販売店・メーカー・ベンダーにとって大きな業務負担となっている。
そこで花王は、棚割り業務の効率化による作業時間・コストの削減をめざし、人が作成した基本パターンをもとにその商品構成や配置に準拠しつつ、拡大・縮小パターンを自動的に作成できる「AI自動棚割り生成アルゴリズム」をLTSと共同で開発した。
このアルゴリズムを活用することで、最大で棚割り作業時間を従来の60%削減できると見込んでおり、顧客へのより創造的な提案活動に注力できることが期待できるという。今後、販売店との実証実験を通して、効果検証とさらなる改善・効率化を目指すという。