ラディウス・ファイブ(RADIUS5)は21日、Deep Learningを用いて漫画用の美術背景を生成するサービス「Line Drawer(ライン ドロワー)」を大幅アップデートしたと発表した。
これまでは線画を6種類アウトプットしていたが、線画4種類、影付きの線画2種類、カラー付きの線画2種類、スクリーントーンが貼られた線画1種類の合計9種類を一度に出力するアップデートを行った。
RADIUS5 は「人の創造性を最大化する」をビジョンに掲げて、クリエイティブなAIを提供するスタートアップ企業。これまで、ゲーム業界のためにキャラクターを生成するAI や、アニメ業界のために映像を4K化するAI、デザイナーのために1枚の写真から動画を生成するAIなど、様々なAIを開発してきた。
Line Drawer は、漫画の背景や挿絵の制作に活用することを目的に2021年3月にリリースしたAI。背景や挿絵の制作は、注目度が低い割りに時間のかかる作業。Line Drawer では、写真をアップロードするだけで線画を生成することができるので、背景制作の時間を大幅に短縮することが可能となる。
今回のアップデートでは、線画のクオリティを改善したことの他、影付きの線画やカラーをつけた線画、スクリーントーンを載せた線画など、アウトプットの種類を増やした。このアップデートによって、利用者の後工程の負担を減らすと共に線画だけでは利用しにくかったデザインやウェブトゥーンでの利用など、新しい利用者層に訴求したいという。
Line Drawer アップデートの内容
(1) 線画のクオリティをアップ
これまでのユーザの利用傾向を踏まえて、プレーンな線画のクオリティ改善を行った。アウトプットは6種類から4種類に減ったが、より利用しやすい線画を出力できるようになった。
(2) 多様なアウトプットを一度に出力
プレーンな線画4種類に加えて、影付きの線画2種類、カラーの線画2種類、スクリーントーンを載せた線画の9種類をアウトプットするようにした。これまで線画に影をつけたり、カラーをつけたり、スクリーントーンを載せる作業は後工程に存在していたが、いずれも手間のかかる作業となっていた。後工程にかかる負担も減らすことでデザイナーやウェブトゥーンの制作等、漫画家だけでなく広いユーザ層に活用してもらいやすくなったという。さらに、自分で加工したいという人の要望に応えるために、線画が載っていないモノクロ画像、カラー画像、スクリーントーン画像もおまけとして提供する。