エクサウィザーズ、「exaBase ロボティクス 粉体秤量 for NEXTAGE」をカワダロボティクスと共同開発
AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組むエクサウィザーズは22日、人と一緒に働くヒト型ロボット事業を展開するカワダロボティクスと、ヒト型双腕ロボット「NEXTAGE」を用いて製造業における粉体秤量工程の高速自動化を実現する「exaBase ロボティクス 粉体秤量 for NEXTAGE」を共同開発したと発表した。本サービスは2023年1月の提供開始を予定している。
三品産業と言われる化粧品、医薬品、食品業界や化学業界では、製造工程・品質検査工程や研究開発工程において粉体を定常的に秤量する業務が多数存在しており、労働人口減少を背景とした人手不足が進む昨今、同業務においてもAIやロボットを活用した自動化による生産性の向上が課題になっている。
しかし、従来の専用機を用いる方法では、特定の粉体における秤量工程を自動化することはできても、特性の異なる複数種類の粉体や、瓶やバケツといった多様な容器を用いた秤量工程においては自動化することが難しいといった課題があった。
また、同工程の自動化実現のため、AIロボットアームを用いた秤量を行う場合においても、一本のアームではボトルの把持や薬さじによる秤量をシングルタスクで実行する必要があるため、ボトル搬送、秤量、秤量後のボトル搬送までの作業において人手の1.5倍程度の時間を要することが課題となっていた。
これらの課題を解決するため、エクサウィザーズとカワダロボティクスは、製造業における粉体秤量工程の高速自動化を実現する「exaBase ロボティクス 粉体秤量 for NEXTAGE」を共同開発した。
多様な容器を用いた特性の異なる複数種類の粉体の秤量自動化を実現するエクサウィザーズのマルチモーダルなロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」と、双腕を用いることでボトルの把持と秤量を同時に行うことを可能にするカワダロボティクスのヒト型双腕ロボット「NEXTAGE」により、ボトル搬送、秤量、秤量後のボトル搬送までの工程全体にかかる所要時間を従来のAIロボットアームを用いた方法と比較して約30%短縮、よりスピーディーかつ高精度な秤量を自動で行うことが可能になった。
エクサウィザーズはこれまで、対象物の画像データ、現場機器・ロボット制御データやシミュレータ生成データ等、様々なマルチモーダルデータを活用して工程の自動化・最適化を可能にするロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」によって、製造現場における品質および生産性の向上に取り組んできた。
一方、カワダロボティクスでは、ヒト型ロボットNEXTAGEの用途拡大、可能性追求のために、ユーザや技術パートナーとの協業を積極的に展開している。三品業界やラボ作業など多くの現場において人手で実施されている秤量工程は、ヒト型ロボットNEXTAGEによる実現を期待されている。
今後、エクサウィザーズとカワダロボティクスは本サービスの展開にとどまらず、液体等の粉体以外の秤量システムの開発も視野に、一台のロボットで自動化可能な工程をより拡大していくことにより、製造現場における品質および生産性の向上により一層取り組んでいくという。