千葉県柏市とZIAI、提携しAIで行政の悩み相談をDXする実証実験を開始

“カウンセリングの再発明”を掲げるZIAIは22日、世界的に重要性が増すメンタルヘルス課題およびその受け皿となる行政の人手不足を解消する取り組みとして、千葉県柏市と提携した「ZIAIモデル/悩み相談AIチャットシステム」の実証実験を開始したと発表した。

本実験においてZIAIは、千葉県柏市の市民全員に対して「ZIAIモデル/悩み相談AIチャットシステム」の一部機能を公開し、完全自律型の悩み相談AIチャットの動作確認ならびに、悩みに関するデータ取得・分析を行う。

現在、日本では厚生労働省が提携するNGOや各自治体が相談窓口を設けており、対面やオンライン、電話やチャットなど様々な手段により相談することができる。しかし、深刻な人手不足を一因として、時間制限や電話のみの対応になるなど、必要なケアが市民に行き届いているとは言えない状況が続いている。

また、チャット相談を実施していない大部分の自治体は、厚生労働省のWebページを掲載しているものの、全国からチャットで寄せられる悩み相談への応答率は2.7%~21.4%、つまり8割以上の問い合わせに対応できていないという(平成30年度 革新的自殺研究推進プログラム 研究成果報告書)。

各方面から相談機関への助成活動を通じて悩み相談員の拡充が図られ、数値改善は見られるものの、専門的知見・ノウハウを持った十分な人員確保は一朝一夕には進まない。また、悩み相談員の高齢化も深刻化しており、さらに人手不足が加速する可能性も高い状況。そこで、ZIAIでは過去3年間にわたり、プロの公認心理士が実際に対応する悩み相談会話データをもとに、悩み相談特化型のAIアルゴリズムを独自開発してきた。

2023年5月、約2週間にわたり悩み相談AIチャットのテスト版を公開したところ、全国の10〜50代のユーザー約300名に利用され、「話を聞いてもらえて心が楽になった」、「AIだと最初に言われなければわからない」というコメントやリピーターを多数確認。実施後のユーザーアンケートでも、公認心理士による相談で得た「ユーザー満足度」と同等のスコアを記録したことから、「悩み相談」としては十分に役割を果たすことができると判断し、今回の実証実験に至った。

本実証で得た市民の悩みに関するデータを分析し、今後は悩み相談AIチャットだけでなく、相談者が抱える具体的な課題の解決まで伴走できるよう、柏市民にあった支援機関と連携する仕組みを整えていく予定だという。

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「ZIAIモデル」
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