製造業における軽作業の自動化を目指すAI駆動型協働ロボットの開発をリードするアールティは5日、⽣成AI(Generative Artificial Intelligence)の⼀分野である模倣学習、次世代型制御技術のAI化、それらの複合技術を社会実装するための研究開発に着手したと発表した。
本研究開発は、アールティが自社だけでなく大学などの研究機関とも人材・技術などにおいて連携することで、国内外の製造業向けの協働ロボットが実行する軽作業を人間のエキスパートから高効率で学習するための基盤技術を、独自または共同で開発することを目的としている。
⽣成AIの中核技術であるLLM(Large Language Model 大規模言語基盤モデル)の技術⾰新により、対話型AIサービスが実⽤段階に入り、知的産業だけでなく製造業をはじめとする多くの分野で業務のAI化が始まろうとしている。
そして、少子高齢化による人口減少が予測されている世界各国においては、生産性の向上という観点で、協働ロボットのAI化に多くの期待が寄せられている。
協働ロボット、とりわけサービスロボットからのアプローチで開発される協働ロボットでは、計測・制御技術に関するAI化について、早急な開発が求められている。
模倣学習の分野では、力制御をはじめとする人間の動作を取得し、類似の状況においても作業の再現ができる技術の開発で多くの研究成果が上がっている。特に柔軟物の操作については研究段階ではいくつかの実績が発表されている。その他、制御技術についても、人中心の作業を実現するための技術革新が始まっている。
アールティは、豊富なビジョンAIの実装、ROSをはじめとするOSSの貢献、ハードウェア開発技術、食品工場向けなどの社会実装の経験を活かし、人間のエキスパートの作業動作を高効率に模倣し、実際の動作に類似する作業に適用する技術を開発するためのハードウェア基盤や一つの学習した動作から複数ロボットへの適用など諸機能の研究を予定している。