KDDIは7日、LINEアカウント「auサポート」でのチャットボットによる問い合わせ対応に、生成AIの活用を開始した。
生成AIを活用することで、顧客の入力内容を要約できるほか、情報が不足している場合に生成AIが顧客に再質問を行うことが可能になる。これにより、問い合わせ内容の解決までにかかる時間を短縮し、顧客がストレスなく迅速に問題を解決できるようになることを目指すという。
なお、商品やサービスの使用方法や手続などに関する顧客からの問い合わせに回答するカスタマーサポート領域において、生成AIを搭載したチャットボットの提供は国内主要企業で初めてだという。
KDDIお客さまセンターでは、顧客が時間や場所を問わず問い合わせできるよう、チャットボットでの問い合わせ窓口を提供している。
チャットボットは、顧客が入力した文章から問い合わせの意図を認識し、事前に準備された回答候補の中から適切な回答を特定して顧客へ回答を行うが、既存のチャットボットでは、顧客の入力内容が長文または情報が不足していると、顧客の意図を正しく認識できないことがある。現在、問い合わせ内容の約3割がこれに該当するという。チャットボットで解決しない場合、チャットアドバイザーが引き継いで対応するが、解決まで時間を要してしまう場合があった。
(1)チャットボットでの活用
長文の問い合わせについて、生成AIが顧客の入力内容を要約し、チャットボットが顧客の問い合わせの意図を正しく認識しやすい形に整理する。
必要な情報が不足している場合には、生成AIが顧客に再質問を行い、チャットボットが適切な回答を特定しやすい形に誘導する。
これらにより、チャットボットによる解決率を向上させ、顧客のお問い合わせ内容の解決までにかかる時間を短縮する。事前の検証では、既存のチャットボットでの対応と比較して約5分程度(従来の約2割)短縮できた事例を確認している。
(2)アドバイザー回答支援での活用
チャットボットの回答が問い合わせ内容の解決につながらなかった場合、チャットアドバイザーが引き継いで問い合わせ対応を行う。
チャットアドバイザーが顧客との応対を開始する前に、生成AIが顧客とチャットボットの間で行われた会話を要約する。これにより、アドバイザーが迅速に問題の本質を把握し、適切な回答を提供することが可能となる。
チャットアドバイザーの研修にも生成AIを導入している。生成AIを顧客役としてシミュレーションすることで、実際の応対に近い環境での研修が可能となり、アドバイザーのスキル向上につながっている。
サービスの対象は、LINE「auサポート」アカウントを利用の顧客。