AIベース学習プラットフォームQANDAの運営会社であるMathpresso社は3月29日、数学的性能で世界1位の評価を記録した、数学特化の生成AIモデル「MathGPT」において、日本語完全対応版の開発着手を発表した。
Mathpresso社は、Google、TikTok、ソフトバンクベンチャーズアジアとの資本提携を結び、50カ国以上で9000万人以上の登録ユーザーを集めるグローバルEdTech企業。日本では、Mathpresso社の運営する質問応対サービス「QANDA」がアプリダウンロード数で学習アプリ部門、第1位を獲得するなど、中学・高校生の学習アプリとして定着している。今後、既に提携を進めている日本の教育企業をパートナーとして、この世界最高評価の数学特化の生成AIモデル「MathGPT」を核としたサービスを展開する方針だという。
一般的に、大規模言語モデルの特性上、生成AIは数学において、他分野よりもハルシネーション(幻覚)と呼ばれる誤った解答を生成してしまいやすい傾向がある。そのため、数学に強い生成AIモデルが教育現場では求められている。そのニーズに基づき開発されたMathGPTは、「MATH」(高校数学)、「GSM8K」(小学校数学)など数学的性能を評価するベンチマークにおいて、歴代記録保有者であるMicrosoft社の「ToRA13B」を抜き、13B以下モデルの中で世界1位の評価を受けている。実際に、MathGPTは、Mathベンチマークで高性能のGPT-4を上回っているという。
QANDAは、毎日1千万件の問題検索を通じて、60億件以上の膨大な学習データを蓄積してきた。その膨大な学習データを基に、ハルシネーション(幻覚)現象を防止することができる数学に特化した生成AIモデルの開発を行ってきた。今後も、より精度を高めるため、教育現場とソリューションを融合させ、総合的な教育テクノロジー企業として研究・開発を進める方針だとしている。