DNP、AIで校正・校閲の省力化をするサービスに文法チェックや多言語対応の機能を拡充
大日本印刷(DNP)は22日、AIを活用して製品のパッケージや広告物、契約書等の校正・校閲・審査業務の省力化を支援する「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」に、「日本語の誤用などのチェック」「表組みの校正・校閲チェック」「多言語対応」の新機能を追加し提供開始すると発表した。新機能の実装により、サービス提供する業界を拡大し、校正・校閲・審査業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。
【今回追加した機能】
1.日本語の表記ゆれ・文法の間違い・誤字・誤入力などのチェック機能
価格の表記方法や特定の言い回し、法令で定められたマーク表示方法など、ルールをAIに学習させ、そのルールに基づいてチェックする。このチェック機能に、文法の間違いや誤字・誤入力、媒体ごとの表記のゆれなどを指摘する機能を新たに追加した。
2.表組みチェック機能
生命保険・損害保険・メーカー等、料金表の表組みは、商品の価格やスペックといった重要な情報が多く、文字も細かいため、複数名が読み合わせを行うなど、校正業務の負荷が高くなっていた。今回の新機能では、表組みの中から文字情報を抽出し、用語等の一覧データや正しいデータと照合して、一致しない箇所を自動的に判別する。
3.多言語対応
各国・地域に展開している製品・サービスは、広告物やパッケージ等を多言語で制作する必要があるため、その校正も非常に難易度が高く、間違いが発生するリスクも高くなっていた。英語・中国語・韓国語に対応し、各言語のテキストデータを抽出して、正しい情報と比較してチェックする。その他の言語は、順次PoC(概念実証:Proof of Concept)を実施していく予定。
■主な用途
飲料・食品会社 : 商品パッケージの校正・校閲など
生命保険・損害保険会社 : 募集文書の校正・校閲など
クレジットカード会社 : パンフレットや約款の校正・校閲など
通信会社 : 広告物の校正・校閲など
銀行 : 契約書類の審査など
自治体 : 行政手続きの審査など
メーカー各社 : 海外向け製品の広告物やパッケージ、カタログ等の校正・校閲など
DNPは今後も、「DNP AI審査サービス」のAI学習の強化と機能拡充を図り、企業のDXを支援していく。本サービスを飲料・食品メーカーや金融・保険業界を中心に提供し、関連するサービスを含めて、2025年度までに累計30億円の売上を目指すという。