SnackTimeは18日、クリエイターのイラストを無断のAI学習から保護する透かしツールおよびイラスト投稿サイト「emamori」のベータ版を公開したと発表した。
画像生成AIが急速に普及する中、特定のクリエイターのイラストがAI学習に無断で利用され、これを懸念した一部のクリエイターがイラスト投稿サイトやSNSでイラストを非公開または削除する動きが広がっている。
同社は、後述のMist技術を採用し、イラストに特殊なノイズを付加することで、AIによる模倣イラストの出力を阻止するツールおよびイラスト投稿サイト「emamori」のベータ版を招待制で公開した。
既存の各イラスト投稿サービスが、スクレイピング対策の強化や、利用規約でのAI学習禁止の明記などの策を講じる中、同社では、イラスト自体に保護をかける方法により、クリエイターが安心してイラストを世の中に公開できる場の提供を目指しているという。
以下の図は、元イラストをAI学習に利用し、同じ作風のAIイラストを出力させようとした場合の例。
(具体的には、Stable Diffusionで元イラストをText Inversion(追加学習の一種)に活用。Mistの実験結果から引用)
一方で、保護をかけたイラストを使用して同じことを行った場合が以下の図。
AIイラストが崩れ、元の作風をうまく模倣できていないことが見て取れる。
また、元イラストの構図や人物を一定保ったまま、多少の改変を行うAIイラストを出力させた場合が以下の図。
(具体的には、NovelAI上で元イラストを使用してi2i(image to image)を実施。Mistの実験結果から引用)
保護されたイラストを使用して同じことを行った場合が以下の図。AIイラストが崩れている。
mamoriのイラスト保護技術は「Mist」を採用している。
Mistは、類似するサービスであるGlazeと比較しても、img2imgへの防御力がより高いことなどが注目されている。