UL Japan、Underwriters Laboratoriesが自律走行車規格を発行
- 2020/4/20
- ものづくり
UL Japan は20日、Underwriters Laboratories(UL)が、自律走行製品評価の安全規格であるUL 4600(Standard for Safety for Evaluation of Autonomous Products)を発行したと発表した。UL 4600は自律走行車およびその他の応用製品に対応した初めての規格だという。
UL 4600の対象範囲には、人間の運転手による監督を伴わない自律走行製品、すなわち完全に自律的に走行する車両を評価するための安全に関する原則とプロセスが含まれている。
無人での自律走行を実現するには、リスク分析や、安全に関する側面、中でも設計プロセス/テスト/ツール認定/自律性の検証/データの整合性/運転手以外の人間と機械の相互作用などの観点から、安全について議論する必要がある。UL 4600は技術に中立的。すなわち、自律走行システムの構築に際して特定のテクノロジーの使用を義務付けておらず、また設計プロセスの柔軟性を許容している。
UL 4600は安全に関する性能や合格/不合格の基準を規定しておらず、実走行試験や許容リスクレベルについても規格の対象外としている。さらに、自律走行製品の発売に関する倫理的な判断や、製品の挙動の倫理的側面について要件を定めていない。
本規格はshopULstandards.comでデジタル形式または印刷形式で購入できる 。また、同サイトでは、ULのDigital View機能を使用して、オンライン上で無料にて閲覧することもできる。Digital Viewを使用するにはユーザー登録が必要となる。
Underwriters Laboratoriesは、Edge Case ResearchのPhilip Koopman博士と協力して同規格の策定を推し進めた。Koopman博士は、自律走行車の安全に関する専門家として国際的に認められており、今回のULとの共同の取り組みには同博士の20年以上にわたる経験が活かされているという。
Koopman博士は、「UL 4600は、これまでに学んできた、安全な状態とは具体的にどのようなことなのかを教えてくれる一連の要件と安全に関する教訓で構成されています。この安全な状態を具体化するアプローチは、急速に進歩する自律走行技術の使用を過度に制約せずに安全を確保するために必要となる柔軟性を提供します」と述べている。