FIG、FIGグループ4社(ciRobotics、モバイルクリエイト、石井工作研究所、ケイティーエス)、大分県は6日、大分県の運営する宿泊療養施設において無人配送ロボットの開発及び導入に係る実証実験を行い、3月4日から4月23日の間、宿泊療養施設に入所する療養者への食事配送やゴミ回収の業務で運用し、運用実績を公開した。
本取組は、宿泊療養業務に従事する職員の業務負担軽減や感染リスクの低減という課題に、県内企業グループの技術を結集しその融合を図り、課題解決を目指した取組。
なお、宿泊療養施設内で無人配送ロボットを活用し、運搬業務をフルオートメーション化した取組は国内初(ciRobotics調べ)の試みだという。
大分県では「先端技術への挑戦」として、IoTやロボット、ドローン、アバターなどの先端技術を活用することで、地域課題の解決や、新しい産業分野に取り入れ、県内産業の振興を目指している。特に、昨今のコロナ禍においては感染拡大で落ち込んだ同県の社会経済を再活性化させるため、感染拡大の防止を図るとともに、あらゆる分野の事業者の「新しい生活様式」の実践など、変化への対応・挑戦を民間企業と行政関係者が一丸となって取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症の療養者を受け入れる宿泊療養施設では、業務に従事する職員等が療養者の食事配送やゴミ回収を行わなければならず、また、それぞれの業務では療養者の部屋の前まで訪問する必要があり、宿泊療養業務に従事する職員の業務負担軽減や感染リスク低減は課題となっていた。
そのため、本取組に先立って、2020年5月には県内で初めて開設した宿泊療養施設において、テープ上を走行する無人配送ロボットを弁当配送やゴミ回収に用いる試験的な取組を県とciRoboticsなどで行い、実際の業務で活用するための課題の洗い出し等を行った。
【本取組の内容】
以下のソリューションを実装し、2021年3月4日から2021年4月23日の期間では実際に宿泊療養施設に入所する療養者への食事配送やゴミ回収の業務で運用した。
● SLAM技術で走行するロボットにより、ホテル内にライン施工せずに、指定した部屋に自動配送することを実装
● エレベータとロボットを制御し、ロボットが自らエレベータ移動することで、異なる階層への自動配送を実施
● ホテルの客室にあるテレビシステムと連動し、ロボットの到着及び確認を自動で行えるシステムを導入
今後とも、「新しい生活様式」に貢献するロボット技術に着目し、新型コロナウイルス感染症対策に資する開発や技術検証等を図るとともに、非接触・非対面型ビジネスなどを実現する新たな産業分野としてサービスロボットの実用化に向けた取り組みを推進していくとしている。