富士通とBen-Gurion University of the Negev(ベングリオン大学)は16日、イスラエルのベングリオン大学内に設置した富士通の研究拠点「Fujitsu Cybersecurity Center of Excellence in Israel(富士通CCoE IL)」で、実社会での安全なAI利用を支援する技術およびソリューションの開発に向けて、研究テーマの検討や体制整備を経て、10月から共同研究を開始したと発表した。
富士通とベングリオン大学は、昨今課題となっている、AIモデルや学習データなどへのセキュリティ脅威が引き起こす様々な問題を解決する技術を研究開発し、AIを実装したシステムやソフトウェアにおけるセキュリティの高度化を目指すという。
なお、本共同研究にあたり、富士通は、ベングリオン大学の100%子会社として産学連携の窓口を担うBGN Technologies Ltd.(BGNテクノロジーズ)と、2021年9月1日から3年間の契約を締結している。
研究テーマの一例として、自動航行ドローンへの攻撃検知やネットワーク通信への不正検知などのシーンに、新種の攻撃など未知の脅威を検知可能なAIモデル(Out of Distribution 検知モデルを適用し、日々進化する攻撃手口に適切に対処するための技術を開発する。そして、その技術を製品の異常検知などにも応用し、学習時には想定していなかったデータが出てきた場合にも対応できるAIの実現を目指す。
今後も、富士通とベングリオン大学は、「富士通CCoE IL」での研究開発を通じて、幅広い分野に対応できるAIのセキュリティ技術を確立するとともに、それらの先進技術をソリューションとしてグローバルに提供し社会実装することで、様々な社会課題の解決に貢献ていくとしている。