5Gと「docomo MEC」で「AI顔認証モバイルゲート」の処理能力を23%向上
熊平製作所、クマヒラ、リアルネットワークス、NTTコミュニケーションズ (NTT Com)は8日、AI顔認証プラットフォームを搭載した可搬型のセキュリティゲートである「AI顔認証モバイルゲート」に5Gと「docomo MEC」を組み合わせ、大規模イベントなどでの入場管理業務の効率化を図る共同検証を実施したと発表した。
その結果、1分間にゲートを通過できる人数が、従来環境と比較して23%増加した。これにより、イベント主催者入場管理業務の効率化に加え、スムーズな入場による来場者の満足度向上も実現する。
セキュリティゲートを提供する熊平製作所・クマヒラと、AI顔認証プラットフォームを提供するリアルネットワークスは、イベントなどにおける入場管理業務の省人化・省力化のために、「AI顔認証モバイルゲート」の実用性を検証してきた。
本検証では新たにNTT Comが加わり、低遅延を特長とする5Gおよび端末に近いサーバーによりデータの高速処理を実現する「docomo MEC」を組み合わせることで、顔認証やゲート制御の通信にかかる時間を短縮して処理能力向上を図り、技術的観点から大規模イベントなどへの活用の可能性を検証した。
ゲートを通過できる人数について、従来環境の39人/分に対して、本検証では48人/分と1分当たり23%増え、「AI顔認証モバイルゲート」の処理能力が向上した。これは、来場者数が3万人のイベントで試算すると、入場処理に要する時間が従来環境の約3時間から約2時間30分となり、約30分短縮されるという成果。これにより、よりスムーズな入場が可能となり、来場者の満足度向上につながる。
また、通常セキュリティゲートはオンプレミスで構築されますが、5GとMECの活用により、可搬型であっても高いセキュリティや高速処理を実現しつつ、通信ケーブルが不要で簡単に設置可能になり、大規模イベントなどにおいて期間中のみ会場に設置するといったフレキシブルな利用が可能となる。
4社は検証結果を踏まえ、「AI顔認証モバイルゲート」の商材化に向けた検討を行う。また、今後は大規模イベントの運営企業など、入場管理業務を行う企業に向け日本各地において共同でプロモーションを実施。具体的には、デベロッパー、建設などの業界における活用を想定している。
加えて、将来的にはネットワークスライシングなど、5G SAならではの先進テクノロジーとの組み合わせにより、さらなる価値向上も検討していく。