三菱重工グループの三菱重工工作機械は4日、ロボット用精密減速機の歯車製造に対応するため、高い加工精度を実現するホブ盤およびギヤシェーパを開発し、「FRシリーズ」として製品化したと発表した。
急激に高まるロボット用精密減速機を高精度かつ高能率に生産したいというニーズに応えたもの。8月から本格発売を開始し、9月の開催を予定するオンラインセミナーで披露するという。
リーズ名のFRは”Fine Pitch for Robot, Reducer”に因んだもの。近年、産業用および生活支援ロボットの市場拡大に伴い、ロボットの関節部に使用される精密減速機内部の高精度小モジュール歯車の需要が急増していることから、同減速機に使用される外歯車と内歯車の2種類に対応した、外歯車加工用のホブ盤ならびに内歯車加工用のギヤシェーパを新たにラインアップするもの。自動車用を代表とする従来の量産用歯車がモジュール1~4、要求精度ISO8~9級なのに対し、ロボット用の歯車はモジュール1以下で要求精度ISO3~6級とさらなる高精度が求められており、これらの要求に対応したシリーズとなっている。
ホブ盤は、工具を取り付ける主軸とワーク(加工材料)を取り付けるテーブル軸に、ダイレクト・ドライブ駆動方式のモータと高い制御技術を採用し、機械誤差を極限まで抑制することで、単一ピッチ誤差1μmを実現。歯車加工の精度クラスを従来比で3段階向上させた(ISO6級相当からISO3級相当)。また、最高8000回転/分の高速加工により加工時間を従来比3分の1まで短縮、高能率加工による生産性向上にも貢献するという。