ジョリーグッドは29日、自社で展開している医療教育プラットフォーム「オペクラウドVR」の実証事業が、東京都が主催する「スタートアップ実証実験促進事業 (PoC Ground Tokyo)に採択されたとを発表した。本実証は、ジョリーグッドと日本医科大学付属病院が共同で実施する。
オペクラウドVRは、医師の働き改革などによりOJTなどの臨床実習の時間がとれない中でも、いつでもどこでもリアルな臨床実習を積める新しい医療教育を実現する。学習効果の高いVRで医療スタッフの目線を体験することで、医療技術伝達と習熟のスピードを大幅にアップさせ、日本医療の進化に貢献するという。
2024年から、医師の働き方改革により本格的な労働規制が行われ、勤務医の時間外労働時間が原則年間960時間までとなる。医師の勤務時間や在院時間が減る事で勉強や経験のための時間が圧迫され、大幅な医療の質の低下、さらなる医師不足が懸念される。日本病院会が公表した「2019年度 勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査」結果によると、約6割の病院長が「働き方改革で地域医療が崩壊する」と回答しているという。医師の勤務時間や在院時間が減る事で教育時間が制限され、医療の質の低下やさらなる医師不足につながることが懸念されている。
オペクラウドVRは、熟練医師やベテラン看護師、メディカルエンジニアなど治療現場のスタッフの視野を、常設された高精度360度カメラ撮影・配信し、データ蓄積管理を行う統合システムソリューション。医師の働き方改革の中で、持ち帰ることができるVRが医療教育の質低下を解消し、すき間時間や自宅学習の限られた時間の中で効率の良い学びの提供を可能にするという。
オペクラウドVRは、医学生へのリモートVR授業の実施や、医療学会で全国の病院をつないだ遠隔多拠点VR医療教育セミナーなどを実施している。ジョリーグッドでは、共同でVRの実証研究を勧めていける病院や医科大学、メーカーや医療学会を募集している。