キユーピーとグルーヴノーツ、量子コンピュータで製造ラインの「シフト最適化」
- 2020/10/9
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- 実証実験, 惣菜工場, 量子コンピューティング
量子コンピュータ関連ビジネスを手掛けるグルーヴノーツは8日、キユーピーの惣菜工場において量子コンピューティング技術を活用した製造サインのシフト最適化プロジェクトを本格開始したと発表した。
キユーピーが、クラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を採用し、これまで様々な実証実験に取り組んでまきたという。
なお、本プロジェクトは、経済産業省が推進するロボットフレンドリーな環境を実現するための研究開発事業「令和2年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択されてるという。本事業においてキユーピーとグルーヴノーツが協働し、今回のプロジェクトである「量子コンピュータによる高速シフト計算検討」、ならびに「AIによる需要予測と協調領域データレイク検討」に取り組んでいくとしている。
これまでキユーピーとグルーヴノーツが行った実証実験においては、「MAGELLAN BLOCKS」のイジングモデルでシフトを作成したところ、例えば熟練のシフト作成者が30分かけて作成したシフト表と比べて、遜色なく実運用で使える結果をわずか1秒で示すなど、イジングマシン活用の効果が確認されている。
これにより、従来は複雑すぎて考慮しきれなかった条件や、従業員が求める新しい働き方の要件、新型コロナウイルス感染症対策として密集を回避した配置基準などを加味して、“働く人にやさしい”快適かつ最適なシフト作成が可能になると期待されるという。また、本事業として、人とロボットの共存を考慮したシフトおよび製造順序の最適化に向けた取り組み検討を進めるという。
さらに、「MAGELLAN BLOCKS」のイジングモデルによる最適化と、AIによる需要予測を組み合わせて活用することで、日々の需要量に応じた製造計画の策定から、製造順序の最適化、シフト最適化、番重(食品用コンテナ)の積み付けの最適化、物流の最適化など、工場全体の最適生産体制の構築に向けた支援が可能になるとしている。