食品盛り付け作業を行う人型協働ロボット「Foodly(フードリー)」を開発するアールティは17日、中食業界の人材派遣で高いシェアを持つウィルオブ・ファクトリーと連携し、協働ロボット導入と人材派遣を掛け合わせて、中食業界における「人とロボットがともに働く未来」の実現を目指すと発表した。
アールティは食品盛り付け工程のライン上で人と並んで働くロボットとして人型協働ロボットFoodlyを開発し、2018年にプロトタイプを発表した。2021年の発売・実用化に向けてロボットの新たな普及方法を模索するため、製造業、物流業の人材派遣に特化し人材の育成にも力を入れているウィルオブ・ファクトリーと、中食業界向けに販売代理店契約を締結。
ウィルオブ・ファクトリーは、様々な課題を抱える食品工場に対しFoodlyを提案するだけでなく、運用も支援することで現場の声をアールティと共有する。アールティはその声を元に人の働き方に寄り添ったロボットの導入方法を探り、ノウハウの構築を進めるという。
Foodlyは小柄な成人サイズの双腕人型ロボット。ディープラーニングを活用したAI搭載ビジョンの実現により、ばら積みされた食材を認識してピッキングし、弁当箱・トレイへの盛り付けまでの作業を1台で完結させる。
人と同じラインで隣り合って安全に作業が可能なため、人と人の間にFoodlyを挟んでソーシャルディスタンシングをし、密を防ぐことができる。食材の認識やピッキング動作をAIがフルサポートするため、現場での操作はモニタを使って簡単に行うことができ、ロボット用の照明条件の設定やティーチングも必要ない。
さらに設置にあたって大がかりな工事は必要ないため、工場の稼働の大幅停止や大規模な予算組みをせずとも、出来るところから人手不足対応、衛生対策を進めていくことができるという。