アクセンチュアと国立国際医療研究センター(NCGM)は、10年近くかけて蓄積された約12万件の健康診断データを基に、生活習慣病(糖尿病・高血圧症・脂質異常症)の将来リスクを確率として提示する、解釈性の高い人工知能(AI)モデルの構築を目指し、共同研究を開始すると発表した。
今回の共同研究では、NCGMが実施している、関東・東海地域に本社を置く企業が参加した職域多施設研究(J-ECOHスタディ)で収集されたデータのうち、約12万件 の匿名化された健康診断データを分析する。セキュアなデータ環境のもと、健康診断データに含まれる既往歴、服薬状況、血液検査結果などの健康データや運動や喫煙、飲酒などの生活習慣データなどを分析し、生活習慣病のリスク要因について疫学的にも解釈可能な予測モデル構築を目指す。
これによって、AI予測結果のブラックボックス化が課題になっている医療業界において、説明可能なAIの活用を目指すという。本共同研究で構築するリスク予測モデルは、今後、論文等で対外公開される予定。アクセンチュアとNCGMは国、自治体や企業等と連携し、個人向けのヘルスケアアプリや医療従事者向け健康指導ツールなど、生活習慣の改善や健康増進を支援するソリューションへの展開も視野に入れた活動も行うという。
本研究におけるデータ活用は、倫理審査委員会の承認を得たJ-ECOHスタディ研究計画書に則って適切に実施される。