新東工業は24日、同社の歪ゲージ式6軸力覚センサ「ZYXer(ジクサー)」が、ラインアップを4種から11種に拡充し、9,000Nの大容量にも標準で対応可能となったと発表した。
近年、自動化や省力化につながる産業用ロボットは、生産現場が抱える人手不足や、働き方改革による生産の効率化もあり、あらゆる場面で活躍している。しかし、人の手指の感覚により動きや力を変えるような作業については、反応精度や応答速度の課題もあり、全ての作業をロボットで置き換えることが難しい状況が続いている。
このような背景もあり、ロボットそのものに力の感覚を与える同社の歪(ひずみ)ゲージ式力覚センサZYXerの需要が拡大しているという。ZYXerは機械特性・電気特性が力覚センサ業界最高水準にあり、手指の感覚が求められる巧みの作業から、非常に大きな力が必要となる作業、複雑な力の動きを伴う作業まで、全ての力を高精度に測定することを可能にしている。
今回、標準ラインアップを4機種から11機種に大幅に拡充し、ユーザの需要が高い並進方向 ± 500~9,000Nの定格容量モデルを取り揃えた。
従来は構造上、鉛直方向のねじれの力(Mz)が、他方向に比べて定格容量が低くなる問題を抱えていたが、独自の設計により解決させ、大きな荷重やスピードにも対応に対応できるようになったという。
また、全ての直径サイズにて、アルミ合金とステンレスの2種類から材質を選択することが可能となった。アルミ合金製は軽量かつ磁性を帯びないという特徴があり、ロボットの可搬重量を抑え、設備コストを削減できる。一方でステンレス製は耐食性に優れている上に剛性も高い為、コンパクトながら高トルクを実現する。
大荷重モデルは、多くのロボットメーカの通常ラインアップの力覚センサではカバーしきれない、Fz±14,000Nという規格外の定格容量を持つため、ダイカスト等の搬送の際の力検出や車両のドア、重機のタイヤを取り付ける際の作業者の⼒のアシストなどを、安定的に把持・組付けすることができる。
ZYXerは、歪ゲージ式を採⽤しており、他⽅式に⽐べ⼤荷重モデルでもコンパクトな設計が可能なため、本体厚さと重量を抑えられ、⼤型のロボットには最適な力覚センサ。また、アタッチメントを変更することで、各メーカの産業ロボットに対応可能。
同社では、今後も特殊⽤途の⼒覚センサや、各種ロボットのアプリケーションを開発し、市場に投⼊することで、ロボット関連事業の拡⼤を図っていくとしている。