AI insideは26日、2021年度から横浜市にAI inside のAI-OCR「DX Suite」が本格導入されることが決定したと発表した。
政令指定都市である横浜市では、保育所認定における受付簿作成業務で発生する大量の帳票処理が課題となっていた。そこで、高い読取精度を実現したAI-OCR「DX Suite」をオンプレミス形式の「AI inside Cube」の環境下でRPAと連携させる実証実験を、2020年度に横浜市で実施。実証実験の結果、本業務では500時間の業務削減に加え、デジタルデータの連携強化による市民への対応スピードが向上するなどの成果が得られたため、今回の本格導入の運びとった。
本格導入前に横浜市で行われた実証実験は、一部の区を対象に保育所認定における受付簿作成業務へAI-OCR「DX Suite」とRPAを導入。従来は申請書類の内容を確認し業務システムへ入力するまで、全て人の手で行っていた。実証実験では申請書をスキャンするだけでRPAに自動連携し、AI-OCR「DX Suite」で読み取りを行う。読み取った内容は人の目でチェックし、その後は再びRPAによって受付簿用のデータを生成するため、人が介入する部分が大幅に削減することができ、本業務において500時間の業務削減を実現した。
また従来は申請書を紙で管理しており、市民が区役所に問い合わせをしても書類は横浜市にあるため区役所内で対応を完結できず、確認に時間を要していた。今回、申請内容をデジタルデータ化したことで、区役所内の業務端末から申請情報が確認できるようになり、市民への対応スピード向上にも寄与しているという。
横浜市では今回の実証実験の結果をふまえ、4月入所に向けた保育所認定業務において、2021年度からRPA、AI-OCRの本格導入を行う。一方で、市民に広く公平に行政サービスを提供するには、紙での申請などアナログ対応も不可欠。AI inside はAI-OCR「DX Suite」を通じて、デジタル推進とアナログ対応の両立を支援し、横浜市の更なる行政サービス向上に貢献するとしている。