リンクスは26日、協働ロボットの導入により生産性向上を検討している企業向けに、自社の社員自らが思考し、指揮を取り、具体的な自動化システムの枠組みを考えるためのカリキュラムを、協働ロボット導入に向けた内製化実戦トレーニングとして国内企業向けに提供すると発表した。
協働ロボットを導入し自動化システムを構築するには、ロボットだけではなく、カメラ・センサー・ハンド・周辺装置、さらにはIT・AIといったソフトウェアなど複数の要素技術が必要となるが、多くの企業は自社内に知見がないため、外部業者であるシステムインテグレーターに一括して依頼し、提案された内容に対して導入の判断を行っている。
しかし、外部業者では顧客の業務を詳細に把握することが難しく、要件の検討に時間を要し、前提知識の違いによる認識の齟齬などから品質低下や納期の長期化をまねき、コストも増大する。
このような外部業者に依存した自動化は、品質、コスト、納期においてロスが大きく、生産性向上の成果を上げることが困難となる。これを回避するためには現場の業務を最もよく理解している自社の社員が、自らの知見を持って思考し、外部業者の指揮を取り、具体的なシステムを検討していくことが重要。
一般的な協働ロボットトレーニングでは協働ロボットの操作方法を学ぶが、操作方法を習得しても、実際の現場で作業の自動化ができるようにはなならない。同社の実戦トレーニングでは単に操作方法を学ぶのではなく、これまで同社が実際に生産工場や物流倉庫、研究開発の現場などに協働ロボットを導入してきた実績の中で培った、ターゲット選定方法から、要件定義、具体的な仕様や実現性検討、要素技術、費用対効果試算、安全設計など、各社共通で自動化検討に必要な知識、ノウハウを実戦課題にワークショップ形式で取り組むことで、体験しながら身に付けることができる。
またトレーニング中の課題として同社社員と一緒に顧客の実際の現場作業の自動化検討に取り組むことで、より具体的にイメージをつかみ、そのまま自社の自動化の取り組みにつなげていくことが可能だという。