「サブスク」により負担のすくない協働ロボットの導入を実現したウィングロボティクスは28日、導入時のもうひとつのハードルであるロボットへのティーチングを、「リモートサポート」で容易にするシステムを構築したと発表した。これにより、人間の作業をサポートする協働ロボットを、より簡単に製造現場へ導入できるようになるという。
近年の消費の多様化により、製造現場には「少量多品種生産」が求められるようになった。それを容易にするのが協働ロボットの存在だが、導入のネックになっていたのが高額な初期費⽤と、ロボットに動作を教えるティーチングの手間や時間だった。
ウィングロボティクスは、費⽤の悩みについては、高性能な協働ロボットを 1 台から月額制で派遣する「サブスクリプションサービス」で解決。もうひとつの悩み、ロボットへのティーチングについても、この6月から「リモートサポート」での解決を提案する。
通常、ロボットに必要な動作を教え込むには、ロボットメーカーが用意するオリジナルのティーチングパネルを⽤いなければならない。また、その操作にはプログラミングの知識や熟練が必要。
ウィングロボティクスが提供するロボットは、同社独自開発のPCソフトウェア(ティーチングツール)によって、9割の動作のティーチングが可能になった。また、ゲーム用の汎用コントローラからも、容易にティーチングができる。
さらに 6 月28日、このソフトウェアのバージョンアップを行い、ロボットをインターネットに接続することで、遠く離れたところからでもティーチングすることができるようになった。この作業は、同社の専任エンジニアが「リモート」によりサポートする。
ロボットを新たに導入した時はもちろん、これまでとは違う作業をさせたい時にも、製造現場で必要なことは特定の場所にロボットを設置し、どのような動作をさせたいかを決めるだけ。あとは「リモート」で同社のエンジニアが、ロボットへのティーチングを行う。
導入後、日々、稼働するロボットから得られる情報も「リモート」で蓄積ができるので、それらを分析することで、より効率的な動き、より効果的な動作も実現。同時に、ウィングロボティクスが提供する制御ソフトも、バージョンアップを重ねていく。蓄積していく情報とともに、ロボットの能力を日々、パワーアップさせていくことができる。
製造現場とともに”成長するロボット”が実現するという。
さらに同社では近い将来、ロポットに3Dカメラを設置して、より細かに「周りを認識する目」を備えさせる。また、オリジナルの動作計画ソフトを導人して、動作を全自動化することも予定している。
これらのバージョンアップによって、ワークを「つかみ」「加工機へ設置し」「加工後、所定のケースに置く」などの一連の動作を、ロボットが人間の補助なしで自動で計画的にきるようになる。また、「せまい場所」でも周囲の状況を把握しながら、障害物にぶつかることなく作業をすることが可能になるという。