Alesは6日、AIによるストーリー生成ソフトウェア「フルコト」のディープラーニング版「フルコト1号(いちごう)」の開発に成功したと発表した。AIが描くエンタテインメントの未来を見据え、第1弾として9月24日、ディープに笑えるAI4コマ漫画のリリースを決定した。
「フルコト」は多数の候補文の中からP-S-L技術(特許出願中)によって適切な文を選択して脚本を生成する。P-S-L技術とは、(P)プロットライングラフ、(S)感情分析、(L)ログラインの3つの要素を複合的に評価することで、人間が理解できるストーリーを起・承・転・結に則して作成する技術。
脚本を構成するための候補文は与えた教師文を分析、再編成して生成する。同社従来の候補文生成手法では与える教師文の規模に限界があり、生成される候補文の表現の幅が限定されていた。そこで、候補文の生成手法として、ディープラーニングの一つであるLSTMを採用。従来手法と比較して、大規模な教師文を与えることが可能となり候補文の表現の幅が広がり「フルコト1号」として、より変化に飛んだ脚本を生成できるようになったという。
LSTMは1997年に提唱されたディープラーニングの一つで、文脈を学習することができる。例えば「○○へ歩いて行った」という文中の○○には、場所を現す単語であれば何でも当てはまる。「港で待ち合わせをして○○へ歩いて行った」という文脈では、海に関する場所の方が当てはまることが多い。一方「麓で待ち合わせをして○○へ歩いて行った」という別の文脈では、山に関する場所の方が当てはまることが多い。LSTMは教師文が持つこのような文脈を学習し、「港」の場合には「浜辺」を当てはめた文を生成し、「麓」の場合には「山頂」を当てはめた文を生成することができる。
フルコト1号から出力された起承転結のあるストーリーを基に人気イラストレーターと共同で制作される4コマ漫画。毎月2作品を発表し、オチとなる4コマ目をTwitterで公募する。クリエーターの創作活動を支援するエンタテインメント事業の一環として9月24日に公開予定。