クラウド型採用サイト作成ツール「採用係長」を提供するネットオンは28日、クラウド型採用サイト作成ツール「採用係長」の登録ユーザーである中小企業の採用担当者を対象に、DXに関する実態調査を実施し、その結果を発表した。
経済産業省のDXレポートにおいて、2025年の壁(2025年に生じる可能性がある大規模な経済損失)が提起されて以来、国内ではさまざまな企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し始めている。またコロナ禍における働き方や生活様式の変容は、デジタル化の流れを加速させた。こうした変化への対応や人手不足の解消は、中小企業の最重要課題であり、DXによる変革が期待される分野でもある。
そこでネットオンでは、クラウド型採用サイト作成ツール「採用係長」の登録ユーザーである中小企業の採用担当者を対象に、DXに関する実態調査を実施した。
“DX”という言葉を聞いたことがあるかどうかについて質問したところ(n=294)、「いいえ(=聞いたことがない)」と回答した事業所は、68%。中小企業においては、DXの知名度が低いことが明らかになった。
“DX”という言葉を聞いたことがある事業所へ、DXの意味について質問したところ(n=94)、80.9%が「はい(=知っている)」と回答。聞いたことがある事業所においては、非常に高い割合で認知されていることが分かる。
一方で、DXを知らない(「聞いたことがない」+「意味を知らない」)事業所は全体の74.1%を占めており、認知向上の必要性を感じる結果となった。
続いて、自社のDXの取り組みについて進捗状況を尋ねたところ(n=94)、「進んでいる」事業所は、わずか9.6%に留まった。これは中小企業全体の3.1%。
DXを知っているケースでも取り組みには至っていない、中小企業の現実が浮き彫りになっている。DXの認知度の低さとともに、取り組みが進んでいない点も中小企業の課題として浮かび上がってきた。
自社で実施中の取り組み、または実施予定の取り組みについては、「書類のデジタル化」「ITツールの導入」「DX推進のためのIT人材の採用・活用」をはじめ、41の回答が得られた。業務の効率化や自動化による生産性の向上を目指し、DXを進める様子がうかがえる。
DXを実施するうえでの障壁には、「DXに対応できる人材の確保」「コスト」「スタッフのITリテラシーが低い」などが挙げられた。
DXの必要性を感じていても、担当できる人材がいないケースや現場の理解を得ることが難しいなど、企業ごとにさまざまな課題があることが分かる。
DXを知らない事業所へDXの意味を説明し、改めてDXへの興味を確認したところ(n=218)、「興味がある」は43.1%だった。DXへの関心は、決して低くないといえる。この結果からも、中小企業のDXが遅れている背景に認知不足があることが推察できる。
DXを知らない事業所へ、今後DXが進むと思うかどうか尋ねたところ(n=218)、「当面の間は進まないと思う」が62.8%。実効性については、DXへの関心の高さに反する結果となった。一方で対応スピードは異なるものの、37.2%はDXが進むことを予想している。
今回の調査では、中小企業におけるDXの認知度や取り組みについてアンケートを実施した。その結果、DXを知らない(「聞いたことがない」+「意味を知らない」)事業所が74.1%に上り、中小企業におけるDXの認知度の低さが浮き彫りになった。一方でDXへの関心は高く、認知が進めば中小企業においてもDXが進むことが期待できそう。
中小企業にDXを浸透させるためにはDXの正しい理解はもちろん、自社に見合う手段が選択できることを知る必要もある。まずは中小企業の負担にならないITツールやデジタル化手法を導入してスモールスタートし、そこで成功体験を得ることがDXの加速につながるのではないか。
ネットオンでは、「採用係長」の提供を通じてDXの第一歩を踏み出す中小企業をサポートし、採用課題の解決に貢献していくとしている。
<調査概要>
調査期間:2021年10月15日(金)~10月21日(木)
調査方法:インターネット調査
調査対象:「採用係長」利用事業所の人事・労務担当者
有効回答数:294