伊藤園と富士通は10日、AI画像解析により茶葉(茶芽)の摘採時期を簡便に判断する技術を共同開発し、伊藤園が展開する茶産地育成事業の契約産地で試験運用を開始すると発表した。
本技術は、伊藤園の茶栽培に関する知見と富士通の画像解析技術およびAIの機械学習を組み合わせて共同開発した画像認識アルゴリズムにより、スマートフォンで撮影した摘採(収穫)前の茶葉の画像をクラウド上でAI解析して、摘採時期の判断指標となるアミノ酸量や繊維量を推定するもの。2022年の新茶摘採から本技術の試験運用を開始し、画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証する。
これにより、生産者の高齢化や後継者不足の折に、茶農業への新規参入の障壁となる課題を解決し、茶農業の生産力向上と持続性を両立することに寄与するという。
伊藤園と富士通は、茶葉の摘採時期を簡便に判断できる本技術の確立に向けて協働し、2023年の新茶摘採から契約産地で本格展開を目指す。今後も、安心・安全で高品質な緑茶原料の安定生産、茶生産者の労務負担軽減や品質の向上に寄与する技術開発などにより、持続可能な農業の推進に貢献するとしている。