遠隔共同子育てロボット「ChiCaRo(チカロ)」を開発するChiCaRoは10日、「Toshiba OPEN INNOVATION PROGRAM 2022」に採択され、東芝デジタルソリューションズの「顔認識AIカオメタ」を応用した、新サービスの開発を試みることが決定したと発表した。
「ChiCaRo」は、簡単に遠隔操作が可能なビデオチャット型ロボットで、離れた場所から乳幼児とコミュニケーションをとることができる唯一無二のロボット。これまで、育児負担が一人に偏る「ワンオペ育児」の解消を目的に、一般家庭の乳幼児を対象として研究・開発されてきたChiCaRoだが、「あらゆる子育て環境をよりよくしたい」という思いから、保育園・幼稚園等での活用も重要視して開発を進めているという。保育士不足を背景に”保育の質”が問われる保育園への導入を目指す中で、子どもたち一人ひとりをきちんと識別(顔認識)する技術が大きな課題となっていた。
このような背景の中、世界トップレベルの顔認証AI技術である「カオメタ」とのコラボレーションにより、保育園での「ChiCaRo」を利用した新サービスの開発がより現実的なものとなった。
最先端の子育て支援ロボットである「ChiCaRo」を通じたコミュニケーションでは、子どもの社会性や創造力の向上が期待できる。さらに、「カオメタ」技術との融合により、取得した子どもたちのデータを個別で解析。その解析したデータを保育士や保護者へ提供することで、保育の質の向上や、保護者の子ども理解の促進につなげることを目指すとしている。
「カオメタ」は、映像から人物を特定する顔認識AI。あらかじめ特定したい人物の顔を顔辞書に登録することで、映像に映る人物のリアルタイムの確認やメタデータの付与を実現する。最新バージョンでは、エンジンのさらなる高精度化で、マスク装着時の顔認識や顔の向きの推定が可能となっている。