デジタルとリアルで街づくりに取り組む PIAZZAは12日、「ChatGPT」を活用して自治体発行の紙資料を自動でWeb公開できる、自治体向けDXシステムとして、紙チラシDXサービス「チラデジ」を開発したと発表した。
本サービスは、文章の作成・要約が可能な「ChatGPT」と、文字を読みとりデジタルの文字コードに変換する「OCR」の技術を活かすことで、自治体のDX推進につながるサービスが提供できないかという想いから、2023年3月下旬に開発チームを発足し、開発に着手してきた。
この度β版が完成し、現在複数の自治体において導入に関する実証実験の議論を進めている。そこで本発表を機に実証実験に参画したい自治体を募集開始する。今後は実証実験を通して読み取り精度のブラッシュアップなどの開発をさらに強化し、年内に正式版の提供を目指していく。
同社は、デジタルとリアルの融合を通じて、テクノロジーを駆使した次世代の街づくりを支援する会社。全国53の自治体と連携し、地域コミュニティアプリ「ピアッザ」の開発・運営や、コミュニティ施設の企画・運営を通して、地域活性に取り組んでいる。
自治体連携事例として、「ピアッザ」を活用した地域内の助け合いコミュニティの形成や、子育て支援、行政からの情報発信や災害・防犯情報の配信などを手がけてきた。
その中で、自治体とのネットワークを活かして課題のヒアリングを進めると、「地域団体や町会などから多種多様なチラシが持ち込まれるが管理方法が煩雑になってしまう」「街に設置されている公共掲示板を住民が見ているのか不明」などの声があったという。一方で住民からの声として「デジタル化が進む中でスマホやパソコンで情報収集ができる環境を求めている」などの課題も挙げられていた。
実際に同社調査においても、住民がWeb上で見たい地域情報の1位は「おでかけ先などのイベント情報」という結果となった。
「チラデジ」は、紙のチラシや市区町村の広報などのアナログデータをデジタルデータに変換できるDXサービス。主に3つの特徴がある。
1.「ChatGPT」と「OCR」を利用している
写真データの紙チラシの内容を「OCR」(オーシーアール)が読み取り、自動で「ChatGPT」(チャットジーピーティー)により概要が要約され、データとして保管される。
2.カレンダー公開機能がついている
読み取られた日付は自動的にカレンダーに登録されるので、自治体も住民もスマホやパソコンで情報の閲覧・管理がしやすくなる。
3.操作がシンプルなので誰でもできる
写真を撮るだけでWeb上のカレンダーに公開されるため、自治体側も専門的スキルが不要なうえ、住民側からもイベント情報をインプットできるので、情報の流量増加・コミュニティへの相互貢献につながり、地域活性が期待できる。