三菱総合研究所(MRI)は28日、グループ企業3社と連携し、ChatGPT技術の安全・迅速な導入を支援するトータル・サポート・サービス「ララサポ」を提供開始した。企画・提案活動へのAIサポートによるナレッジワーカーの業務革新と、自然言語を用いた的確な応対指南による顧客接点高度化により、企業の業績向上を支援する。
ララサポの特徴
「ララサポ(LArge LAnguage model SUPPOrt、商標登録申請中)」は、ChatGPTを含む大規模な自然言語処理モデルの総称であるLLMを用いた支援サービス。4月に提供開始したGPTによるレポート自動作成機能を持つ、WebサーベイAI「ロボリサ」を皮切りにラインアップを拡充し、企業の業績向上につながるサポートを実現する。
① 高セキュリティの環境構築支援
【ChatGPT技術のシステム導入支援と運用コンサルティング】
機密情報の漏洩リスクを回避し、安心・安全に「ChatGPT」を利用するための環境を整えるサービス。本サービスは、グループ会社である日本ビジネスシステムズ(BS)が提供する「アイプリシティ チャット Powered by ChatGPT API」と連携する。
【ルール・ガイドライン設計支援コンサルティング】
コンサルティング業務で培ったルール・ガイドライン設計のノウハウを最大限活用し、刻々と変化する生成AIに関する法規制に対応しながら、顧客に最適なルール・ガイドラインの設計を支援する。
② 業務変革ソリューションの提供
【ナレッジワーカーの業務革新】
MRIは、デジタル技術を活用した革新的サービス開発やリサーチ・コンサルティング事業における提供価値向上に取り組む「シンクタンクDX」を実践している。その最初の成果である「ロボリサ」は、ナレッジワーカーの業務革新ソリューションの1つで、情報収集・整理・レポーティングを自動化するツール。誤情報を検知・削除する機能を搭載し、信頼性の高いレポート生成を実現する。
今後も、提案営業活動を支援するサービスなど、シンクタンクDXの成果を順次提供する。
【顧客接点高度化】
ばらばらな顧客接点をつなぎ、顧客との会話・行動を一元管理することで、AIによる顧客の自己解決支援とCX(顧客体験価値)向上を実現する「タッチポイントDX」のサービス拡充、金融機関向け営業支援サービスの提供を予定している。「タッチポイントDX」はグループ会社である三菱総研DCSと連携する。
【ナレッジワーカーの業務革新×顧客接点高度化】
延べ150の自治体が導入済みの「AI相談パートナー」「AIスタッフ総合案内サービス」は、職員の業務革新と住民接点支援を兼ね備えたサービス。グループ会社であるアイネス、JBSとともに、職員の作業負担軽減や住民サービスの高度化を目指す。
【顧客に最適化されたChatGPTソリューション導入コンサルティング】
顧客に最適化したコンサルティングを提供し、業務の効率化と成果の最大化を実現する。
研修プログラム「ChatGPT活用体験ワークショップ」において日常業務の活用シーンを体験することで、ChatGPT技術への理解と実務への取り込みを容易にする。
③ 業界インパクトレポート
LLMをはじめとする生成AIの業界インパクト調査レポートも作成している。最新業界トレンドや市場の洞察を活用した戦略的な意思決定を支援する。
「ララサポ」を提供するMRIの強みは以下3点。
① セキュリティを確保したGPT活用ノウハウ
深層学習で10年、文章生成AIで6年の取り組み実績を基にした技術力を活用し、MRIは「ロボリサ」を独自に開発した。その開発および社内運用で培った嘘検出AI機能や情報漏洩防止のシステム・ルール設計力を活用し、お客さまをサポートする。実際の開発・導入支援にあたっては、マイクロソフト表彰パートナーでありマイクロソフト製品で高い実績を有するJBSと共に、安定かつ高品質なシステムを実現する。
② 豊富な業務コンサル経験とAI技術の応用力
顧客の事業・業務オペレーションを理解し、生産性の向上・データ分析・顧客サービスの向上・新規事業創出など、事業成長・効率性の高い使い方を提案し、顧客がChatGPT技術を有効活用できるまで伴走する。まずは使ってみたいという場合は、「ロボリサ」のようなサービスの提供も可能。
③ 客観的なリサーチに基づく戦略立案支援
シンクタンクとして養ってきた社会課題理解、政策・業界動向等を踏まえつつ、要望に沿いながら将来予測、市場動向、他社動向に関する客観的なリサーチを実施し、担当者の経験や志向性だけに依存しない、エビデンスに基づく戦略立案を支援する。