学研のグループ会社で、全国に330以上の介護事業所を運営するメディカル・ケア・サービスの中国拠点 美邸養老服務(上海)有限公司は13日、人型ロボット領域のトップの企業UBTECH ROBOTICS CORP LTD(UBTECH)と、合弁会社 优邸健康科技(深圳)有限公司を設立したと発表した。
优邸健康科技(深圳)有限公司は、中国、日本をはじめ、グローバル市場へ事業展開していく。両社は、AIとロボット技術でヘルスケア業界を強化するために協力し、世界トップの介護サービスを共同で創造する。世界の介護の質の向上や、地域と在宅介護のアプリケーションの向上などに取り組み、スマート介護事業の新時代を目指すとしている。
UBTECHは2012年3月に設立。世界でトップのハイテク企業であり、人工知能と人形ロボット設計、製造、販売及びAI、プログラミングとOSソフトなどの開発力、技術力を有している。設立以来、ロボットの動作計画、制御技術、SLAM、自律技術、ロボットオペレーティングシステムアプリケーション、ROSAなどのテクノロジーを展開してきた。
2022年12月31日時点で、テクノロジーに関する特許の申請は3100件以上、認定特許の取得は1600件以上で、そのうち発明特許が約50%を占めている。2018年には、国家発展改革委員会のロボットプロジェクトに選ばれ、中国のハイエンドインテリジェントサービスロボット製品の産業化を担当。2019年、ワールドロボットコンテストのパートナーとなった。2020年には職業教育改革に協力し、教育省からサービスロボット分野の1+X認証を2件取得した。2021年には新たにアップグレードされた大型ヒューマノイドサービスロボットWalker Xを世界で発売し、2022年にはオランダ博覧会チャイナガーデンの唯一の公式スマートロボットパートナーとなった。
学研のメディカル・ケア・サービス(MCS)は、1999年の設立当初から認知症ケアに注力し、2001年6月に1棟目となる認知症高齢者対応の「愛の家グループホーム桶川」を開設。認知症ケアを中心とした介護施設の運営に20年以上の実績があり、2017年には、グループホーム運営居室数が日本一となった。同社は、介護現場の生産性の向上とケアの品質向上に向けて、ICTやAIの活用を進め、より効果的で専門的な介護サービスを実践してきた。例えば、2020年9月から国内施設で介護記録システムを導入し、利用者の情報収集と分析、データに基づいたケアを実施。また、AIロボットを導入するなど、業務効率化に努めてきた。中国では、2014年から介護施設の運営を開始するなど、現在、3つの事業(施設運営、コンサルティング管理、教育)、7施設を展開している。
合弁会社では、それぞれの特徴、リソースなどを生かし、認知症リスクの早期検査、継続的な見守りと予防、製品、サービスなどの分野で協力していく。施設の管理システムや在宅サービスロボットなどを開発し、スマート介護事業を実現することで、ご利用者の生活の質の向上と介護スタッフの生産性の向上を目指す。
同社は、中国と日本の運営ノウハウを生かし、スマート介護事業の領域で人工知能とロポット技術の応用に研究開発の指導とサポートを提供。UBTECHは高度なAIとロポットの研究開発スキルを活用し、施設とコミュニティの発展に適したスマート介護運営支援システムを開発する。両社により、世界トップのAIとロボットスマート介護ソリューションを共同で構築していくとしている。