新建築社は1日、建築をめぐる新たな「知」の可能性を模索すべく、ChatGPTを活用したAIチャットボットサービスの実証実験を開始していると発表した。
建築と都市の未来を考えるうえで、デジタルテクノロジーやデータを無視することはできない。
2020年にローンチした「新建築データ」は、新建築社が培ってきた建築の「知」をデータというかたちで社会へと広げていくもの。このサービスは、雑誌『新建築』と『新建築住宅特集』がこれまで掲載してきた建築プロジェクトの誌面をデジタルデータベース化したもので、現在、1975年から2023年までの間に掲載された約2万件のプロジェクトを公開しており、教育や設計の場において多く活用されている。
ただし、新建築データとは単なるデータベースサービスではない。設計や施工はもちろんのこと、建築に関わる無数の情報をネットワークのなかで捉えなおすことで、建築と情報の新たな関係性を見つけ出すことが新建築データのミッション。そのために、新建築社はこのミッションのもと、デジタルテクノロジーや都市環境を考えるプロジェクトへ積極的に取り組んでいくという。
現在、新建築データが取り組んでいるのは、AI(人工知能)を使ったチャットサービスの実証実験。2022年11月にOpenAIが「ChatGPT」を公開して以降、日本でも大規模言語モデルやそれを活用したサービスへの注目が高まっているが、新建築データもまた、ChatGPTの活用に取り組んでいる。
この実証実験は、OpenAIの大規模言語モデル「GPT4」を活用したもので、新建築データに登録されている約2万件のプロジェクトに関するテキストをGPT4に組み込むことで、対話形式でサービス内の情報を参照できるチャットサービスのプロトタイピングを進めている。