富士通は2日、消費者の店内行動データをもとに、生成AIを活用してデジタルサイネージ上にアバターや販促コンテンツを生成する購買促進AI技術を開発したと発表した。
同社は本技術を活用した自動接客による商品販売促進を目指し、リテールAI研究会の支援のもと、山口県防府市にある丸久が展開するスーパーマーケット「アルク三田尻店」の実店舗において、本技術を適用した実証実験を8月3日から開始する。
本技術は、カメラ映像から消費者の行動と購買特性を分析し、対象売場での購買体験の向上につながる接客や販促コンテンツの自動作成と継続改善を実現するほか、複数の販促施策の効果計測や状況に応じた施策選択、売上向上などのKPI改善をAIにより自動化することが可能となる。
実証実験では、デジタルサイネージ上のアバターが接客するシーンにおいて、行動分析AIが分析した個々の来店者の購買行動や購買特性に基づき適切なアバターを用いて商品推奨などの接客を行う。同時に、来店者の商品購入などの接客結果も分析し、より高い効果が見込めるアバターをAIで自動生成するなど、個々人に合わせた接客内容や商品の魅力を盛り込んだコンテンツの効果を検証し、店舗や商品の売上貢献や豊かな購買体験の提供を目指す。
同社は本技術を、先端AI技術を素早く試せるAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi (code name) – Fujitsu AI Platform」を通じて、2023年度中に提供開始予定。今後も先端AI技術の開発とAIの社会実装の取り組みを通じて人手不足などの社会課題を解決し、サステナブルなスマートストアの実現に貢献するとしている。