AI防犯システムを展開するアースアイズは9日、最先端の防災技術を搭載した「火の見櫓AIカメラ」を販売開始した。
この技術は、火災や土砂崩れ、河川の決壊などの自然災害に加え、人混みによる将棋倒しや自動車の立ち往生などの人的災害をAIカメラがリアルタイムに「危険レベル」を判断し、管理者に通知する仕組み。
従来、災害状況の確認は台風の最中や地震の余震活動が続く中での人間による目視等が基本であり、危険を伴う作業だった。ドローンなどは災害後の状況把握に有効だが、災害の早期発見には限界がある。「火の見櫓AIカメラ」は、この問題を解決し、災害発生の兆候をリアルタイムで検出することが可能。
「火の見櫓AIカメラ」は、高層マンションやビル、市街地を見渡せる山頂等に設置し、24時間体制で監視を行う。広範な範囲での災害初期段階の兆候も発見でき、迅速な対応を可能にする。
本システムは市販の防犯カメラが活用できる。アースアイズが開発したAI-BOXを市販の防犯カメラに接続させることで、AI-BOXが自動で映像を解析し火災を発見する。その性能はハードウェアのスペックに依存するが、1台で半径500m~数kmまでの災害を発見することが可能。AIが撮像範囲を十数メートル毎のゾーンに分けて、自動制御で数秒ごとにゾーン別の「見守り巡視」を繰り返す。
防火・防災につながる兆候を広範で自動検出することにより、「火の見櫓AIカメラ」は災害後の俯瞰的な状況の把握にも重要な役割を果たし、救助活動の推進や避難経路の確保に貢献する。観光地などでも人や建物の密集地域で適切な誘導が実現できる。
さらに、「火の見櫓AIカメラ」は防犯面でも高い潜在的価値を提供できる。放火や暴動、人の流れの異常なパターンや挙動も検知できる可能性がある。これにより、犯罪や暴動の早期の警戒や対応が可能になるという。
本システムは、アースアイズと連携する自治体、観光地域、商業施設、木造建築密集地域、重要文化財建造物などに、順次導入される計画となっている。「火の見櫓AIカメラ」は、都市部や地方自治体の安全と防災対策の一翼を担う重要なツールだという。