ノビアスは14日、国立がん研究センター、総合病院 国保旭中央病院との多機関共同研究契約を締結したことを発表した。「AI技術を用いた透視画像の疑似3D化に関する多機関共同観察研究」を2024年4月1日から開始した。
平面的な透視画像を擬似3D化することにより、「手前」「奥」の認識がリアルタイムで可能となり、病変への誘導が容易になることを目的とする。バイプレーン型血管造影装置使用の平面画像の3D化の研究開発も同時に進めて行くという。
予定する研究対象者:
国立がん研究センター中央病院において気管支鏡検査を受けた患者
総合病院国保旭中央病院においてバイプレーン型血管撮影装置あるいは透視装置を用いた検査を受けた患者
研究の期間:2024年4月1日から2028年3月31日まで
研究背景:
従来のX線透視のみを用いた気管支鏡生検では、病変の立体的な位置関係の把握の難しさから生検器具が病変に到達したかの評価が不確実であり、診断率は不十分だった。この理由としてX線透視で描写される画像は2次元であり、少なくとも正面像のみでは前後方向のずれや距離感の把握には向かないことが挙げられる。
研究開発される技術による将来展望:
AI×3D変換技術を活用し透視画像をリアルタイム3D化することで、
・体内のカテーテルの位置と方向をより詳細かつ正確に視覚化
・リアルタイム3D画像により、医師がカテーテルと周囲の組織との関係を3次元化
でき、これらを元に適切に評価できることから、気管支鏡検査の精度と安全性が向上する。
循環血管処置では、リアルタイム3D画像により複雑な心臓の解剖学的構造の視覚化が強化され、冠状動脈形成術やステント留置などのインターベンションをガイドできる。