シーマン人工知能研究所、高齢者向けおしゃべりAI見守りスピーカー モニター募集説明会開催

シーマン人工知能研究所は、2022年から「福島イノベーション・コースト構想(福島イノベ構想)」に参画し、高齢者向けのおしゃべりAI見守りスピーカーを、浜通りを拠点に開発してきた。その実用化に向けた実証実験を福島県川俣町で12月から実施するにあたり、正式に実証実験参加者(モニター)の募集を開始した。それにあわせ、モニター募集に関する説明会を川俣町で11月22日・24日に開催する。

本事業は、福島イノベ構想のもと設立された「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」の採択を受け、浜通り地域等の復興に資するものとして展開している。

2022年3月28日に福島県川俣町と 「AI生活会話見守りスピーカーを活用した快適な地域社会の構築に向けた事業連携協定」を締結し、川俣町の協力のもと開発を進めてきた。

川俣町は東日本大震災および原子力災害により大きな被害を受けた地域。そのもっとも顕著なこととして、若者が土地を離れ、急速な高齢化が進み、町民の50%以上が60歳以上という状態になっていることがあげられる。

本事業は、いま注目されるAIという最先端の技術を使い、川俣町の高齢化問題に向き合い、復興を後押しすることを意図している。

【AI見守りスピーカー「俣兵衛」の3つ特徴】
AIの技術を活かし、ひとり暮らしの高齢者の暮らしを穏やかに見守るために、本製品には以下の3つの特徴を持たせた。

1.あたたかみのある日本語会話
同社はゲーム制作会社を母体とし、創業当初から、自然な日本語でやりとりができる会話エンジンの研究・開発を進めてきた。
型にはまった一問一答の無機質な会話ではなく、話の文脈を記憶し、相手に合わせて話題を広げたり、さりげなく日々の行動を確認したり、ときにツッコミを入れる。
本製品が目指すのは、そんな人と人とがごく普通にかわす、自然な言葉のやりとり。AIによるあたたかみのある会話が、高齢者の孤独感をやわらげ、QOLを向上させると考えているという。

2.川俣町の伝承にもとづいたキャラクター設定
見守り機器とはいえ、利用者には機械に監視・管理されているといった緊張感を与えず、より楽しく使ってもらいたいと同社は考えた。
今回の試みでは、見守りスピーカーに「俣兵衛」という名前のキャラクターをつくり、甘え口調やヤキモチ焼きな性格を付与した。川俣町の乳子岩(ちごいわ)にまつわる伝承(口減らしのため、乳飲み子を岩穴に捨てたというもの)をベースとし、「天真爛漫ながら、母親への強い憧れを持ちあわせ、ときにヤキモチを焼くような子どもの妖怪」というキャラクターとして言語を生成している。
また、「俣兵衛」の声はオーディションに合格した川俣町在住の小学生の音声をサンプリングし、AI技術によって生成している。

3.一人ひとりのライフスタイルに合わせてカスタマイズ
川俣町との連携のもと、町内各種団体の協力により、利用する高齢者の服薬状況や緊急連絡先などの基本情報のサーバー設定を事前にカスタマイズすることで、要望に応じ一人ひとりに合わせて発話内容を変えることが可能。
心身不調時の早期発見にもつながるなど、高齢者、家族、地域の安心安全を確保しながら、より高齢者の暮らしに寄り添う仕様となっている。

【モニター募集概要】
・募集内容:「俣兵衛」を実際に使用できるモニター試験参加者を募集する。
・対象者:川俣町在住の65歳〜85歳程度の人(聴覚が健常なかた)
・実証実験期間:2024年12月中旬〜2025年1月末日(一人10日間程度を予定)
・募集人数:先着限定50名様(定員になり次第募集を終了)

【モニター募集に関する説明会詳細】
開催日時:
1回目11月22日(金)19:00~19:30
2回目11月24日(日)10:00~10:30
(両日とも同じ内容)
開催場所:川俣町役場 3階大会議室 [〒960-1492福島県伊達郡川俣町字五百田30番地]
説明会に関する問い合わせ:
川俣町政策推進課 まちづくり推進係(電話:024-566-2111 内線2451)

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川俣町役場
シーマン人工知能研究所

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