NVIDIAは12日、従来、CPU のクラスターで複雑なアルゴリズムを実行し、25キロメートル解像度で大気モデルを作成していたが、気象と気候の研究のためのサービスとソフトウェアのセットである NVIDIA Earth-2の一部である生成 AI モデルの CorrDiff は、25 kmモデルを2 kmに 1000倍速く解決し、従来の方法に比べて 1 回の推論に必要なエネルギーを 3000倍向上させたと発表した。
さらに、CorrDiff はコストを 50分の1、エネルギー使用量を 25 分の 1 に削減する。
CorrDiff は、1年に1回のモデルの再トレーニングや予測の精度を高めるために 1000 件の予測の統計グループを使用した場合でも、NVIDIA AI プラットフォームで優れた性能を発揮する。これらの条件下で従来の方法と比較すると、コストは1年あたり50分の1、エネルギー使用量は25分の1に削減される。
つまり、CPU クラスターとそれを実行するためのエネルギーにこれまで 300 万ドル近く必要だった作業が、NVIDIA H100 Tensor コア GPU を搭載した単一システムでは約6万ドルで実行でる。この大幅な削減は、生成 AI とアクセラレーテッド コンピューティングがエネルギー効率を高め、総所有コストを下げることを示している。
このテクノロジは、台風が上陸する場所をより正確に予測するのにも役立ち、人命を救える可能性がある。
「NVIDIAのCorrDiff 生成 AI モデルにより、AI によって生成されたキロメートル単位の天気予報の利用が可能になり、台湾は台風に対してより適切に備えることができます」と、台湾の国立科学技術防災センター所長 Hongey Chen 氏は述べている。
台湾の気象予報士は、CorrDiff を使用することで、年間約1ギガワット時を節約できるようになる。世界中の約200の地域気象データセンターがさらなる持続可能なコンピューティングのためにこのテクノロジを採用すれば、エネルギー節約はさらに進む可能性がある。
商用予報を販売する企業も、そのスピードと節約効果に注目し CorrDiff を採用しているす。
NVIDIA Earth-2 は、これらの能力を地球規模にまで拡大する。AI、物理シミュレーション、観測データを融合し、国や企業が気候変動などの地球規模の問題に対応できるように支援する。これは、2050年までに100万人の命と年間 1.7 兆ドルの損害をもたらすと予想される異常気象災害の影響に対処するのに役立つ可能性がある。
アクセラレーテッド コンピューティングと生成 AI は、多くのアプリケーションに新しいレベルのパフォーマンスとエネルギー効率をもたらす。グリーン コンピューティングと GPUがAI に最適である理由に関する説明では、より詳しい背景情報といくつかの例を紹介している。
このシンプルな計算機を使用して、一般的なワークロードをx86 CPU ベースのサーバーと NVIDIA GPUサーバーで実行した場合のコストとエネルギー消費を比較して欲しいという。また、全体像を確認するには、COMPUTEX でのジェンスン フアン氏の基調講演を視聴してほしいとしている。