マイナビは27日、三菱総合研究所と共同開発した、採用支援のためのAIツールである「PRaiO(プライオ)」に、新機能「採用データAI分析」を追加し提供を開始すると発表した。
この新機能により、手元にある採用データを人事担当者自身で手軽に分析できるようになり、採用課題の原因や自社とマッチする学生の特徴などが可視化され、採用計画の検討への活用が可能となる。
「PRaiO」は採用支援のためのAIツール。企業がこれまで行ってきた採用活動における選考結果や提出されたES(エントリーシート)等のデータをAIエンジンの「HaRi」に学習させ、企業ごとのAI予測診断モデルを構築する。また、新たな応募情報をAI予測診断モデルに照らし合わせて、様々な診断結果を提示する。
■主な診断機能:
「優先度診断」:企業の採用合格基準に近しい人材かどうかを可視化する機能
「文章特徴診断」「ワードサマリ」:ESに用いられている単語や記述量などを可視化する機能
「剽窃診断(コピー&ペースト検知)」:過去や当年に提出されたほかのESなどとの類似度を可視化する機能
また、利用効果を測定するため、学習させた情報と選考結果を多角的に分析・レポート化し、採用活動における振り返り結果を報告する。「PRaiO」を採用業務の補助ツールとして導入することで、書類選考にかける時間の削減や合否基準の均一化、人材見極めの高精度化が見込める。
新機能「採用データAI分析」の概要
労働人口不足が進む中、採用人数の確保は採用担当者にとって年々大きな課題となっており、「企業説明会やインターンシップで学生と接触しても、本選考参加に繋がらない」「自社とマッチする学生の特徴が可視化・言語化できていない」「振り返りができないまま、毎年同じ採用工程を繰り返している」などの悩みをよくお聞くという。採用担当者は多忙な中で過去の振り返りや原因分析まで手が回らないことが多く、課題が解決されないまま翌年の採用計画が進む企業もある。
新機能「採用データAI分析」では、学生情報や採用イベントの参加有無や参加満足度、選考参加有無や選考通過率、社員評価などのあらゆるデータをAIによって分析し、「自社の弱みはどのフェーズにあったのか」「どのイベントに参加した学生が、何に魅力を感じ、なぜ本選考に参加したのか」などの情報が表やグラフで可視化される。この分析結果をもとに課題の原因を特定することができ、自社の採用課題の可視化・言語化にもつながる。
また、分析項目も企業ごとに設定できるため、自社に不足した項目の分析のみに焦点を当てることができ、分析にかかる時間も3~5分程度と短時間で終了するため、多忙な採用担当の負担を増やさず高精度な分析結果が得られる。
自社の課題感に沿った多角的なAI分析を提供することで、採用課題の解決と採用業務の効率化を果たし、企業の採用機会の最大化や学生との高精度なマッチングに貢献する。また、採用担当が学生と向き合う時間を確保することへの繋がりも期待でき、学生と企業双方のより満足度の高い就職活動の実現に向けて、採用業務のDX化の第一歩として導入できるという。